こんにちは
新刊カウントダウン!(実際にはカウントアップ)その②です。
実は、2日ほど前、正式に書名が公表できるようになりました。
書名は
『本当は大切なのに誰も教えてくれない
VUCA時代の仕事のキホン』
です。
VUCAという表現については昨年、THE21に、書籍の元になったインタビューが連載開始になった時にも本稿でコメントしました。
Volatility(変動性) Uncertainty(不確実性) Complexity(複雑性) Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった、現代の社会を表す表現です。
eitarokono.hatenablog.comVUCAって「予測がつかないこと」を端的に表した言葉なので、そんな中に何か基軸を発信するってこと自体、チャレンジだとは思っています。
VUCAな上に昨今は情報も溢れているので、どうしても誰か、何かを攻撃するような強い言葉でメッセージを発信してしまいがちです。
そうじゃないと目立ちませんしね。
発信者の端くれとして、その気持ちは実はよくわかるのです。
とはいえ、ですね
でも強い言葉って、共感を強く得ることもできるけど、反発も受けます。
社会を変えようとするとき、反発を誘発することは得策とは、あんまり思えないのです。
"であるからこそ"、ここで一旦立ち止まり、キホンに立ち返って地に足をつけた議論ができたらいいんじゃないかな、と考えてコツコツ作りました。
僕の常日頃からの考え通り、たとえイノベーションであっても必ずしも飛び道具が必要条件というわけではなく、キホンとキホンの掛け合わせであっても成立するのだ、という点にこだわっています。
キホンができていればイノベーションの可能性は高まります。一方でキホンをおろそかにすると、偶然の一発に頼るしか無くなってしまう、という考え方です。
さて、前回同様少しずつ情報を開示してければと思います。
前回は、4章あるうちの1章目の冒頭文を公開しましたが、今回は第2章の冒頭文です。
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「VUCA」の環境に置かれている現代のビジネスパーソンにとっては、「問題解決」も 一筋縄ではいきません。
これまでの経験則が通用しない問題は、より一層増えています。環境がめまぐるしく変わることで新たな問題が発生したり、解決しようとしていた問題が変わってしまったりすることも珍しくありません。それ以前に、何が問題なのかわからないことさえあります。
では、VUCA時代の高度な問題に立ち向かうためには、何が必要なのでしょうか。
それは、「早さ」。スピーディに前進する「速さ」というよりは、クイック、アーリーと いった意味の「早さ」です。
正解の確信がなくても良いから、まず早期に意思決定をして即座に実行することです。
なぜなら、これまでの経験則が通用しないような問題は、いくら机の上で考えたところで、正解にはたどりつけないからです。解決策を見つけ出すには、とにかく何度もトライ&エラーをするしかありません。 それなら、1分1秒でも早く試したほうが良い。 たとえ間違っていたとしても、すぐに修正すれば、早く正解にたどり着けます。 この「素早い試行錯誤」こそが、VUCA時代の問題解決のコツです。
近年、ソフトウェアやアプリなどの開発で「アジャイル」という手法が主流になってい ます。これは、不完全でも良いので短期間でベータ版をつくり、顧客に使ってもらって修 正点を見つけ出して、徐々に完成度を高めていくという手法です。
その根底には、「最初から正解を出そうとするのではなく、クイックに試してみて、修正 を繰り返したほうがニーズに合う」という考え方があります。
かつては先々まで見越した計画に基づき、長期間をかけて完璧な完成品をつくり上げる 「ウォーターフォール」型の開発が主流でしたが、VUCAの時代には、「アジャイル」型のほうが適しているというわけです。 しかし、いまだに多くのビジネスパーソンは、これと真逆の状況に陥っています。 解決策とおぼしき方法が目の前にあっても、「本当にこの方法で良いのだろうか」と実行をためらってしまう......。これは、関係する人の数が多ければ多いほど、顕著になります。
VUCA時代に問題解決をする上で最も避けるべき行動は、意思決定を先送りにして、 何もしないことです。
極論すれば、たとえ間違っていても、まずは解決策を実践したほうが、前に進めるわけ ですから、何倍もマシです。先送りするのは、ただただ時間をムダ使いしているだけです。
質の高い試行錯誤の「2つのポイント」
とはいえ、何でもかんでも試行錯誤すれば良いと言っているわけではありません。
私は、質の高い試行錯誤をするためのポイントは、次の2点にあると考えています。
1.「検証する価値のある解決策」なのかを、目的に照らし合わせ判断すること
2.その解決策を実行まで導くこと
まずは、検証するのは何のためか、を改めて考えましょう。
そして、その問題の根本は何か、目的達成の判断基準は何か、そもそも問題をどう設定 するかといった事柄に考えをめぐらし「、検証する価値のある解決策」を設定すること。ここがおろそかだと、どんなに労力を投じても、意味のない活動になってしまいます。
次に、その解決策を実際に行い、結果検証を行うこと。
どんな優れた解決策も、実行できなければ意味がありません。アイデアだけではダメですし、始めるだけでも不十分。やり遂げて結果が出るまで継続する必要があります。
本章では、解決策の設定および実行の両面から、VUCAの時代に必要な問題解決のコツを、述べていきたいと思います。
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いかがでしょうか。
何かのヒントになれば幸いです。