どっちだ⁈「今の1分は明日の1時間、来週の半日」と「明日できることは今日やらない」の見極め

こんにちは。

最近出した新刊の反応をいただくようになりました。

今すぐ対応すれば短時間で済む

いくつかの反応のうち、「今の1分は明日の1時間、来週の半日」という項への賛意がありました。

この項の意図としては、何かやらなければならない時。特にトラブル発生などが顕著ですが、

「あー、なんかちょっと疲れたなぁ」

とか

「苦情対応するのやだなあ」

などと思ってしまい、少し寝かせてしまうことがあります。

これって、実は生産性の観点でいうとかなり効率が悪い、ということを言っています。

すなわち、

今すぐに対応すれば1分で済むことなのに、その日の夕方まで放置すれば2−30分の作業になり、翌日まで放置すると1時間、翌週まで放置すれば半日、下手をすると終日かかって収拾するほどの作業量になる傾向があるのです。

これは、完全な経験値ですが、賛意が多いということろから見ても同じような経験をする人も多いのでしょう。

過労から体や心を守るのは自分

一方で、僕が新卒で入った会社で、新入社員研修の時に講師に立ってくれた現場で活躍する先輩が、質疑応答の中でおっしゃっていたことを思い出します。

「働き過ぎに注意。自分は『明日できることは今日やらない』と決めて日々を過ごしている。」

というのがその方のコメントでした。

今では名前もポジションも忘れてしまいましたが、ハードな仕事で有名な部署の方だったので、おっしゃっていた内容を鮮明に記憶しています。

そしてそれ以降、自分自身に言い聞かせるようにしています。

頑張りすぎて、体や心を壊してしまうなんて本末転倒ですからね。

そんなポリシーを持ちながら今までのキャリアを過ごす中で、いつも自分ながら一瞬混乱するのは、「明日できることは今日やらない」と自分に言い聞かせながらも、「今の1分は明日の1時間、来週の半日」つまり今すぐやらなきゃ、という考え方も併せ持っている点です。

どっちなんでしょうかね。

キーワードは「計画」

今のところのこのトレードオフに対する僕の回答は「計画化してあるか否か」です。

なーんだ、そんなことか、という声が聞こえてきそうですが。

ま、当たり前ですよね。

「Aの部分は明日やる、Bは明後日。そしてC以降は来週」といった計画さえあれば、今日やるか明日やるかなんて迷う必要もありません。明日に先延ばしすることで1分が1時間に膨れ上がることもないわけです。

一方、突発的な出来事対応や予定外の割り込み仕事は、当たり前のように計画化されていませんので、まずは手をつけてみる必要があるわけです。

もしかしたら、先の新卒研修の時の講師もそれが言いたかったのではないかな、なんて今は思います。

重要なのは、その手の突発的な出来事があることを見越して、スケジュールをギュウギュウに詰め込みすぎないことですね。

ほんの少しでもいいので余裕を持たせて、計画外対応の時間という「計画」をしておくのです。

僕自身も1日のうち1時間はそのような計画外対応時間を見込んでいますし、木曜日(これは決めの問題)には年間を通してギリギリまで予定は入れないようなバッファの時間を確保しています。

このバッファ時間があることによって、なんだかんだではみ出した時間を、直前にここに吸収することができるからです。何もなければ考える時間に当てればいい。

曜日を決めて調整時間を作るのは高校生時代からやってました。

「明日やるか」「今すぐやるか」の分岐は「計画化してあるか否か」というお話でした。

みなさんはどう考えますか?

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超訳モンテーニュ 中庸の教え

こんにちは。

慌ただしくも、充実した1週間

今週は、レポート採点とか書籍の発売とか、その他諸々なんだかんだで仕事のハイライトが続きました。

その分非常に充実した時間を過ごすことができたわけですが、ランチも毎日のようにいろんな人たちとご一緒しました。

ランチはいいですね。長くなりすぎず、お酒も入らないので、記憶・体力・時間・おサイフ面それぞれで効率的です。(お酒が入った夜の宴も大好きですが!)

で、ある日のランチは、『超訳 モンテーニュ 中庸の教え』の著者(訳者?)の大竹さんとご一緒しました。

 良いタイミングなので、今日はこの書籍の読後感を。

どんな人が書いたか?

原著は、エセーまたは随想録として世界史の教科書に載っているのでキーワードとしては多くの人が聞いたことがあるとは思います。

16世紀後半にフランスで出版された、タイトルが表す通りのいわゆる随筆です。

エセー - Wikipedia

この原著を書いた人は、ミシェル・ド・モンテーニュという人で、ミシェル・ド・モンテーニュというところの人です。名前と居住地名が同じ、ってところからもわかるように、地元の名士だったとのこと。

もう少し言えば、地方自治の首長に相当する方だったようです。当時のヨーロッパは宗教的にも荒れた時代だったのですが、彼はバランス感覚に優れた政治家だったようです。

そんな彼が最前線から少し引いた時に城館にこもって書き残したものということです。

なんとあのパスカルや、ラ・ロシュフコーデカルト、さらにはニーチェなど名だたる哲学者も尊敬している人だと。

フランスのミッテラン大統領の公式肖像の手に持たれたのもこの随想録だそうです。リンク的には多分これ。

http://blog-imgs-57.fc2.com/s/a/i/saichan3500/201310011501427ee.jpg

内容は多岐にわたり、日本語版は岩波文庫だと確か6冊の大部です。

学生時代は文学部だったので、この書籍を扱った講義を取った記憶がありますが、四半世紀の時が経ってしまっていて、正直講義内容は記憶がありません・・・

モンテーニュは日本で言えば誰だろう?というお話を、著者の大竹さんとしたのですが、僕にとって「バランス感覚に優れた政治家」というのは後藤田正晴さんのイメージが強いので、僕は勝手にそのようにイメージしてみました。

後藤田さんがもしこのようなエッセーを書かれたら同じように多くの人に読まれたのではないだろうか、なんて妄想も。

そして、もう一方の著者、翻訳をした大竹稽(けい)さんは、愛知県出身の僕と同世代の方。

以前、とあるパーティで初めてお会いしてお話しする機会をいただきました。

愛知県名古屋市の名門、旭丘高校から東京大学理科三類(そう、あの理Ⅲです)に入学され・・・たのに退学して、色々あって同じく東大の哲学研究科で改めて学びなおされた、という異色の経歴の方です。

プロフィール | 大竹稽 オフィシャルサイト

子供の教育にもかなり尽力されているため、作文教室などでもお世話になった保護者の方も多いかと思います。

どんな内容か

書籍自体の内容的には、当然読んでいただくのが良いのですが、僕が読み取ったモンテーニュのメッセージとしては、

頑張る必要もないがサボることを進めるわけでもなく、名声は求めるものではなく、とは言え、物事に真摯に向かうことで後からついてくるもんなんだ

というようなトーンでした。

つい、功名心とか自己顕示欲、外発動機に左右されがちな僕に取っては、「まあ、待てよ。そんなに焦って、どうするの?」と450年近い時代を経た人から言われているような気がする内容ばかりでした。

まさに「中庸の教え」。

同じようなことで悩んでいる人がいれば、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

そして、この本の最も特筆すべきところは、大竹さんによる現代人にも分かりやすい翻訳(超訳)です。

現代日本人である我々にとってこの随想録自体は「450年前の」「フランスの」「難しい」本という印象は拭えません。実際に岩波の書籍もそれほど読みやすい文体ではないというのが僕の感覚です。しかし、大竹さんはまるで、モンテーニュが現代の人で、それも日常会話に近いような親近感あふれる語り口で話しているような表現に作り変えてくださっています。

 僕も以前、福澤諭吉の「学問のすすめ」を中学生にもわかるような表現で翻訳をしたことがあります。

本来、もっと身近な書物が、その翻訳が難しいために一部のインテリ層だけのものになってしまっている、という問題意識が共通しています。

まるで、中世ヨーロッパで聖書を中心とする書物が全てラテン語で書かれてしまい、一部の読書階級だけのものになってしまっていたのとよく似ています。

それを、なんとかしたいね、という考えで認識が一致したのは非常に印象深いです。

この「超訳 モンテーニュ 中庸の教え」が、モンテーニュへの扉を開き、原書なり、全訳なりへの橋渡しになれば良い、と。

僕も同じ考えです。「学問のすゝめ」はもっと多くの日本人に読まれるべきであり、そのための橋渡しに「現代語訳 学問のすすめ」がなっていけるといいなあ、と思うのです。

超訳 モンテーニュ 中庸の教え」改めて、オススメの一冊です。ぜひどうぞ。

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新刊『VUCA時代の仕事のキホン』発売開始!ハッシュタグは#VUCAキホン

こんにちは。

新刊発売!

1ヶ月以上カウントダウンとして連載してきましたが、この3月2日、無事新刊『VUCA時代の仕事のキホン』が発売の日を迎えることができました。

本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン

本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン

 

毎回ですが、僕にとって書籍を作ることは、多大な労力と精神面の疲弊を伴います。

結構眠れない日が続きました。

もちろん、発売がゴールではなく、世の中に広く行きわたらないと当初描いた目的を達成することができないので、世の中に認知してもらう努力をしなければなりません。

その過程で相当程度人に誤解を与えたり、平たく言えばウザいと思われるようなことがあるのでしょうが、そんなことは言ってられないわけです。

甘んじてそこは受けとめるしかありません。それが自分の選んだ道だし責任なのだ、と言い聞かせています。

なんか、辛いですけどね。これについては1冊目の時から割り切って考えています。目標を立ててそれに向かう、という文脈で今回の本の中でも少しコメントしています。

これからも必死にプロモーションしていきますので、ご了承くださいませ!

ハッシュタグは「#VUCAキホン」!

さて、発売に絡めて諸々のプロモーション活動を始めてます。

ツイッターFacebookなどでは「#VUCAキホン」というハッシュタグで諸々の発信をしています。

それ以外にも、まずは音声メディアということでVoicyを使って荒木博行さんが配信していらっしゃる「荒木博行のbook cafe」にも、3日連続で取り扱っていただきました。

その1:コンセプト説明と第1章、2章について

voicy.jp

その2:第3章、4章について

voicy.jpその3:著者河野のキャリアや3/8に実施する共同セミナーについて

voicy.jpその3で少し触れている、”共同セミナー”というのは、新刊の版元ではなく別の僕の書籍の版元であるディスカヴァー21で開催するこちらのセミナーです。

発信活動を通じて成長した実感のある我々2人が、現代のビジネスパーソン向けにその背景にある考え方を発信する場として考えています。

(場合によっては将来出版につながるきっかけになるかもしれませんよ!)

3月8日ですので、お時間ある方は是非!まだ間に合います。

詳細および申し込みは、こちら!

peatix.com新刊については、各書店でも大きく扱っていただいていますし、オンライン書店でも順調に順位を上げつつあります。

それ以外にも様々なプロモーション活動をこれからも実施していきますので、その面でも楽しみにしていてください!

引き続きよろしくお願いいたします!

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新刊カウントダウン!その⑤「VUCA時代の仕事のキホン」見本が届いた!本ができる直前の状態も初めて見た

こんにちは。

カウントダウン第5回ですが、来週はもう発売日なのでカウントダウンとしては最終回です。

とうとう、見本ができました!

先週、見本が出来上がりました。やはり形になるととても嬉しいです。

想像以上に美しい装丁で出来上がってきました。発売日は3月2日なので今週の木曜日以降に書店に送られる予定です。

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実は、これを手にした時は版元であるPHP研究所にいました。

その日は見本が出来上がるということで、夜の時間帯だったのですがそちらに伺ったのですが、ちょっと作業が押していました。

なので、もう今日は見本が届かないだろう、ということは言われていました。見本そのものの代わりに、中間見本のようなもの(なんと呼ぶのかは忘れました)を見せてもらいました。添付写真のような、16ページ分が一つになった紙の束でした。

これをまとめて表紙をつけて、一気に裁断すると綺麗な本になる、ということでした。

「大人の事情で、あと●●ページ増やし(減らし)たいのですが。。。」という表現を耳にしますが、印刷・製本の都合上16ページ単位で増減させる必要がある、というわけです。

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この、本になる直前の紙の束を見て、半分感慨にふけっているときに「届きました!」という連絡が入ったので、急いで受領してもらったのが、冒頭の見本というわけです。

ちょっと運命的なものを感じました(笑)

それを持ってこの数ヶ月間伴走してくれた、担当編集の宮脇さんと記念撮影しました。年の差18年のチームです。干支は1.5周りですね。

本当にありがとうございました。感謝です。

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 さて、今回の中身事前公開は、前書き「はじめに」です。

VUCAの意味するところについてや、今回の書籍を出すに至った思いなんかを書いています。

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 はじめに

現代社会は、「VUCA」と呼ばれる環境に置かれています。

VUCAとは、

「Volatility」(変動性)

「Uncertainty」(不確実性)

「Complexity」(複雑性)

「Ambiguity」(不透明性・曖昧性)

の頭文字を取った言葉で、あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象 が次々と発生するため、将来の予測が困難な状態を指す言葉です。

「変化が激しい」「先が見えない」とはいつの時代も言われることですが、 〜 年前に 比べて、現在は明らかにVUCAの度合いが加速しています。

その理由の1つは、テクノロジーが進化するスピードが猛烈に上がっていることでしょう。その結果、世の中の仕組みやルールが目まぐるしく変わるようになり、ますます先行きが見通せなくなってきたのです。

そんな中、ビジネスシーンにおいても、このVUCAという言葉を、たびたび耳にするようになりました。

 この新しい現実を前にして、今のビジネスパーソンは、主に次の2つのタイプのどちらかに分かれているように思います。

 1つは、周りの変化が、単に景色になってしまっていて、自分も変化しなければならないことを自覚できていない人たち。

「今までこのやり方でうまくいったのだから、きっと大丈夫だろう」 という思いが根底にあり、今も昔と同じやり方で、仕事をし続けています。

しかし、こういった人は、多くの場合、新しい現実を直視していない場合も多い。心のどこかに不安があり、それゆえ、仕事のやり方を変えられずにいます。

もう一方は、変化に過剰に反応しすぎている人たち。

「環境が激変する今こそ、変革が必要だ」と声高に主張し、革新的な働き方や考え方を、 次々と提唱しています。

しかし、こちらはこちらで、変革を急かすあまりに本質を見失い、人々を煽るような過激な言説に走っている傾向があるように思います。

その結果、主張にも具体性や現実性を欠いていて、「視点は良いのに、もったいない」と 思うこともしばしばあります。

いずれにせよ、ある種の思考停止に陥ってしまっているような気がするのです。

私自身は、このVUCA時代について、次のように考えています。

1.仕事の本質は大きく変わっていない

2.しかし、その形式は大きく変わっている

つまり、VUCA時代には、これまでの仕事の形式を刷新しつつも、地に足の着いた仕事のやり方が求められている。そして、この両者のバランスをうまく取って働けるビジネスパーソンが増えていく必要があると思っています。

だからこそ、そんな新しい時代に必要とされる仕事のやり方を、まとめることに意義があると考えました。タイトルの『本当は大切なのに誰も教えてくれない VUCA時代の仕事のキホン』には、そんな思いを込めています。

イノベーションは「小さな工夫」から始まる

VUCAを語るとき、セットのように出てくるのが、「イノベーション」という言葉です。多くの人は、イノベーションと聞くと、何か大それた変化を想像しがちです。

しかし、私自身は「イノベーションは、小さな工夫の積み重ねからこそ生まれる」と考えています。たとえば、これまで1時間かかっていた会議を、45分でやるようにする。いつもより少しだけ早めに、ホウレンソウするようにする。一つひとつの変化を見ると、小さな変化にすぎません。

しかし、これらの「小さな工夫」が積み重なることで、結果的に大きな変化が生まれます。これが、「現実的な」イノベーションの本質です。

つまり、イノベーションといっても、必ずしも「飛び道具」が必要なわけではなく、「日々の小さな工夫の積み重ね」によって成立しているのです。

ちなみに、イノベーションは日本語で「革新」などと訳されますが、アイビーリーグの 大学の日本語学科で教鞭を執る、知り合いの米国人の方は、「イノベーションの訳は"工夫"が近い」とおっしゃられていました。これを聞いた時、とても納得した記憶があり、今でもこの考え方を大切にしています。

ここでいう小さな工夫が、本書でお話しする「キホン」です。

新しい時代にかなった「キホン」ができていれば、最終的にイノベーションが生まれる可能性は高まります。一方で、この「キホン」をおろそかにすると、偶然の一発に頼るしかなくなってしまいます。

だから、私はこのVUCAの時代にこそ、「キホン」に立ち返るべきだと考えています。

VUCA時代、4つの「新しい現実」

本書では、そんなこれからの仕事の「キホン」について、VUCA時代に到来した4つの「新しい現実」に即して語っていきます。

第1章のテーマは、「限られた時間で成果を出す」。

かつての日本企業では、「残業してでも、とにかく成果を出す」という風潮が一般的でし た。しかし、今は残業自体が禁止され、限られた時間の中で、効率良く成果を出すことが 求められています。そこで、最小限の投資で最大の成果を出すための、「生産性」アップのキホンをご紹介します。

第2章のテーマは、「答えのない問いに答えを出す」。

一昔前までは、与えられた仕事を淡々とこなしていれば、誰にも文句は言われませんでした。しかし、今は上司も含め、誰も答えを持っていません。そんな中でも、筋のいい解答を導くための「問題解決」のキホンについて述べます。

第3章のテーマは、「多様なメンバーをまとめる」。

メンバーの多様性が増し、さまざまな価値観が職場に溢れる現在、自分のやったことをそのまま部下に教える指導スタイルは、もはや通用しません。そんな多様なメンバーをまとめる「リーダーシップ」のキホンについて、本章では述べていきます。

第4章のテーマは、「働き方の持続可能性(サステナビリティ)を高める」。

ある1つの組織の価値観を順守し、そこで定年まで働いていれば良い時代は終わりました。現代では、どんな組織、どんな環境でも働き続けられる働き方の持続可能性が問われています。本章では、長く働ける自分をつくるための「自己投資」のキホンを述べます。

最後に、私の紹介をさせてください。

私は、日本IBMで働くかたわら、「ホワイトカラーの生産性向上」をテーマに、発信活 動をしています。具体的には、本を出版したり、経営大学院で教壇に立ったり、自分で会 社を経営したり、いわゆる複業をしています。

その間、さまざまな世代やコミュニティの個性あふれる方々とのご縁に恵まれ、一緒に仕事をしてきました。そして、一貫した私のクセなのですが、その人たちの働き方をつぶさに観察してきました。

そんな中で気づいた、「生産性を上げる、ちょっとした働き方の工夫」についてまとめ た、『 99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『同リーダーのコツ』『同メンタル のコツ』シリーズは、おかげさまでシリーズ140万部超のベストセラーとなりました。もちろん、本書でも、その主張の軸は変わりません。

つまり、ちょっとした言い方や依頼の手順、少しの工夫だけで、生産性は劇的に向上する、ということです。

本書は、時代に遅れたくないと思っている=これからの仕事のやり方に悩んでいる方に ぜひ、読んでほしいと考えています。その上で、「ちょっとした仕事の工夫」の中に、これ からの時代を生き抜くヒントがあることを、感じ取ってほしいと思っています。

VUCA時代の仕事のキホンを知ることは、きっとあなたに飛躍をもたらすでしょう!

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以上です。
いよいよ発売まであと数日。何度経験しても、ドキドキします。
参考までにアマゾンの予約サイトです。

 

本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン

本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン

 

 

 

新刊カウントダウン!その④「VUCA時代の仕事のキホン」予約開始! 表紙デザイン作成ストーリー

こんにちは。

新刊カウントダウン4回目です。

とうとう、表紙のデザインも決まり、Amazonでも予約が始まりました。

本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン

本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン

 

おかげさまで、着実に予約も入っていますが初速は重要ですので、気を緩められません。是非とも、みなさま応援お願いします!

ちなみに、表紙デザインは書籍タイトルと同様、基本的には出版社の専権事項であるので、著者としても「どんなデザインだろう」とドキドキしながら心待ちにする側です。(もちろん、意見は聞いてもらえますけれどね)

で、出てきたのがこちらのデザイン。

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VUCA時代の仕事のキホン 表紙データ

初めて見たときは「ほーっ」と声に出してしまった。いい意味で期待を裏切っていただいた感じです。

という理由は、ビジネス・実用書って最近(2019年2月時点)は表紙にドーン字が主体のものが多くて、そろそろその先の流れが来そうだな、と思っているところだったのです。数年前からの潮流でしたよね。この流れを作った人もホントにすごいと思いますけど。

2月17日時点でのAmazonのカテゴリートップランキングでも以下のような感じ。

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表紙が字ばっかりでしょ?

あとは、著者のキャラが立っている場合は、表紙に写真が出てるか。(一応その案も検討したのですが、当然却下されました。笑)

そんな時代の「ドーン字」潮流に対して、ちょっと変化球を投げてみたいな、と思っていたところに、先ほどのデザインだったので、ちょっと気分も高揚しました。

落ち着いた感じの青がベースで、日差しの強い海に2−3メートル潜った時のような色だし。

消えた白熱灯と並んで一個だけ点いているのが、蛍光球だし。イメージ凄く合ってる。灯り自体は、白熱灯も蛍光灯も、なんなら水銀灯も味があって好きですけどね。

さて、今日の事前公開は第4章。

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第4章 働き方の持続可能性を高めるーVUCA時代に働き続けるキホンー

VUCA時代に「自分への投資」を始めよう

人生100年時代ー 。

100歳を超えて長生きする人は、もはやそれほど珍しくありません。あなたも、10 0歳以上まで生きる可能性は十分にあるでしょう。当然、「現役」の期間も長くなります。

しかし、同時に世の中は「VUCA」の時代でもあります。

これが意味するのは、「先の見えない時代にもかかわらず、長く働き続けなければならない」ということです。

その可能性をリアルに考えた場合、まず何から手をつければ良いのでしょうか。 私は、「自分への投資」こそ、今必要な考え方だと思っています。

数十年後も働き続けるために、自分に投資

自分への投資と言っても、株や投資信託といった金融商品や不動産などへの投資のことではありません。

もちろんそちらも大切でしょうが、私がここで言いたいのは、「何歳になっても働いて稼 げる自分」であり続けるための投資です。

今までなら、目の前の仕事を極めて、それに邁進していれば、定年まで勤め上げることができました。だから、「自分への投資」なんて、考えなくても良かったのです。 しかし、今は、経験やスキルが、すぐに「陳腐化」してしまう時代になりました。一度身につけたスキルだけで、その後何十年も稼ぎ続けることは、現実的でなくなっています。

だからこそ、変化に対応するために、新たな経験を積んだり、スキルを身につけたりと いった、自分に対する投資が必要です。具体的には、「ビジネススクールなどに入って学び 直す」「転職や副業など、新天地に身を置く」など、有形無形の投資が必要になります。

あなたは「ウインドウズ2000」になりたいですか?

「何歳になっても働いて稼ぐ」と言いましたが、「将来食べられなくなる」という危機感だけでは、働き続けるモチベーションを保つ原動力としては弱いように思います。

私は、「自分が人生をかけて成し遂げたいこと」を見つけることも大切だと思います。

なぜなら、自分のやりたいことが明確になると、日々のモチベーションがガラッと変わるからです。そうすると、日々の行動すべてが「自分への投資」につながります。

ある企業では、年収2000万円だけど窓際族で、毎日PCゲームのソリティアしかやることがない人のことを、「ウインドウズ2000」というそうです。

ある意味では、楽に十分な収入も得られて、その瞬間は幸せな人生かもしれません。しかし、そんな人生をあなたは送りたいですか?

ファイティングポーズを取り続ける

やりたいことは、今は見つかっていなくても、探し続けること自体に意味があります。 「自分のやりたいことは何だろう?」と悩み続けて、「これかな?」と思うものに近づいてみたら、やっぱりどこか違った。それはそれで良いのだと思います。

少なくとも、「やりたいことなんてない」「見つけても意味がない」と諦めてしまうよりは、探している途中で「これだ!」というものに出会える可能性は高くなります。

私は、これを「ファイティングポーズだけは取り続ける」と、表現しています。そうすれば、どこかで、自分が人生をかけて取り組みたい目標に出会えるでしょう。

本章では、VUCA時代に、「今から自分にどのような投資をするべきか」、そして「自 分が人生をかけて成し遂げたいことをどのように見つけるか」、この2点を中心に、「自分 への投資」のポイントについて議論していきます。

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全4章の最後の章は、VUCAの時代だからこそ、自分への投資はたとえ幾つになっても続けていこう、というメッセージで締めたいと思っています。

読んでくれた人のキャリアがより未来志向で、ストレスなく、充実したものになればいいなあ、という思いを込めまして。

もう2週間ほどお待ちくださいねー。

新刊カウントダウン!その③「VUCA時代の仕事のキホン」発売日決定!

こんにちは。

2月28日発売です!

新刊カウントダウンと題した週刊ブログをカウントアップにしていた背景として、発売日が明確に決まっていなかったから、という理由もあったのですが、確認できました。

2月28日に出荷開始ということでその翌日または翌々日には店頭に並ぶということでした。

ゲラをチェックしている段階で、奥付(書籍の一番後ろの”事務連絡”的な頁)に3月14日と書いてあったのでちょっと迷いましたが、こちらの日付は別の目的があるようです。

それにタイミングを合わせて、現行のもとになったPHPの月刊誌「THE21」のインタビュー連載記事も、4回目の今回で一区切り。

以下でリンクを読むことができます。

shuchi.php.co.jp

そして、全4章のうち、前回のブログで第1章と第2章のプロローグを掲載しました。

今回は第3章のプロローグを掲載します。

第3章のテーマは、リーダーシップ。

『多様なメンバーをまとめる─VUCA時代の「リーダーシップ」のキホン』

なんと、いきなりアニメ「機動戦士ガンダム」の出てくるキャラクターを例にとって解説しています。

子供の頃、テレビで見ていた頃は将来このキャラクターについて自分が書籍でコメントすることになるとは、全く思ってなかったのですが!(当たり前ですけど)

いかにあのアニメが、子供が楽しめる”かっこよさ”だけではなく、深い人間模様を描いていたのか、ということの現れではないか、と思ったりします。

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第3章 多様なメンバーをまとめる─VUCA時代の「リーダーシップ」のキホン

ブライト艦長のようなリーダーを目指そう

理想とされるリーダーの形は、時代によって変わるものです。 では、「VUCA」の世の中ではどんなリーダーが求められるのでしょうか。 まず大前提として、「VUCA」の時代には、上司の側も明確な答え持っていません。 したがって、自分よりも、チームのメンバーを活かして答えを見つけてもらう。そんなリーダーシップが、今までに増して必要とされています。

世間を見れば、上司がメンバーに尽くしてから導く「サーバント・リーダーシップ」や、 特定の人だけでなく皆がリーダーシップをとる「シェアド・リーダーシップ」など、さま ざまなリーダーのスタイルがすでに提唱されています。

それらを踏まえつつ、私は、次のような人物が理想的だと考えています。

それは、「ブライト艦長」型のリーダーです。

ニュータイプを活かすオールドタイプになろう

ブライト艦長とは、『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するブライト・ノアというキャ ラクターのこと。宇宙戦艦であるホワイトベースの艦長をはじめ、ガンダムシリーズを通 して、名指揮官として活躍した登場人物です。

ご存知ない方のために補足すると、ガンダムシリーズの設定は、地球のそう遠くない将 来、増え過ぎた人口の問題を、宇宙への移民という形で解決する時代を描いた作品です。 そのなかでは、宇宙育ちで、それまでの人類にない価値観や能力を備えた新人類、 「ニュータイプ」が中心となって大活躍します。第1作目の『機動戦士ガンダム』のアム ロ・レイ、第2作目の『Zガンダム』のカミーユ・ビダン、第3作目の『ガンダムZZ』のジュドー・アーシタなどの主人公は皆、このニュータイプです。

一方、ブライト艦長はニュータイプではありません。従来型の人間です。

しかし、ブライト艦長は素晴らしい戦績を残しました。

それは、自分より若いニュータイプたちの才能を見出して、彼らをつぶすことなく活躍させたこと。それによって、部隊としての成果を最大化させたことです。

自分には才能がなくても、自分以外の才能あるメンバーに最大限の力を発揮させること で、目覚ましい結果を生み出す。このようなブライト艦長の生きざまこそが、これからの リーダーが目指すべき姿だと、私は考えています。

多様な人材を活躍させるリーダーを目指せ

最近は、ダイバーシティの重要性が強く叫ばれています。

その背景の1つが、人々の生活が豊かになったり、グローバル化が進んだりしたことで、 お客様のニーズが多種多様になったこと。

当然、そのニーズを摑むには、商品・サービスを提供する側も、多種多様である必要が あります。イノベーティブな商品などを生み出すなら、多様な視点からの意見を戦わせることが不可欠なわけです。

第2章で、情報感度の高い「ミレニアル世代」の若者に任せることの大切さをお話ししましたが、活かすべき人たちは若者だけではありません。

外国人やシニア、出産等で離職した女性、リモートワークで働きたい障がい者や海外居住者、博士号取得者など、多様な人たちが能力を発揮できるようにすることが重要です。

本来は、こうした多様な人材に活躍してもらう、会社ぐるみの取り組みが必要です。

しかし、現実には会社はなかなか変われません。それならリーダーを務めている人は、自分のリーダーシップのスタイルを変え、自分のチームだけでも変えていくべきです。

こう考えると、リーダーシップは、世代やキャリアに関係なく万人に求められる能力と 言って良いでしょう。

「VUCA」の時代には、この「多様性」をうまく使いこなす必要があるからです。

第3章では、私の経験も交えながら、多様な人材をまとめるためのリーダーシップのポイントを紹介していきたいと思います。

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発売まであと約3週間弱。楽しみにしていただけましたら!

 

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新刊カウントダウン!その② 書名決まりました

こんにちは

新刊カウントダウン!(実際にはカウントアップ)その②です。

実は、2日ほど前、正式に書名が公表できるようになりました。

書名は

『本当は大切なのに誰も教えてくれない

VUCA時代の仕事のキホン』

です。

VUCAという表現については昨年、THE21に、書籍の元になったインタビューが連載開始になった時にも本稿でコメントしました。

Volatility(変動性) Uncertainty(不確実性) Complexity(複雑性) Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった、現代の社会を表す表現です。

 

eitarokono.hatenablog.comVUCAって「予測がつかないこと」を端的に表した言葉なので、そんな中に何か基軸を発信するってこと自体、チャレンジだとは思っています。

VUCAな上に昨今は情報も溢れているので、どうしても誰か、何かを攻撃するような強い言葉でメッセージを発信してしまいがちです。

そうじゃないと目立ちませんしね。

発信者の端くれとして、その気持ちは実はよくわかるのです。

とはいえ、ですね

でも強い言葉って、共感を強く得ることもできるけど、反発も受けます。

社会を変えようとするとき、反発を誘発することは得策とは、あんまり思えないのです。

"であるからこそ"、ここで一旦立ち止まり、キホンに立ち返って地に足をつけた議論ができたらいいんじゃないかな、と考えてコツコツ作りました。

僕の常日頃からの考え通り、たとえイノベーションであっても必ずしも飛び道具が必要条件というわけではなく、キホンとキホンの掛け合わせであっても成立するのだ、という点にこだわっています。

キホンができていればイノベーションの可能性は高まります。一方でキホンをおろそかにすると、偶然の一発に頼るしか無くなってしまう、という考え方です。

 

さて、前回同様少しずつ情報を開示してければと思います。

前回は、4章あるうちの1章目の冒頭文を公開しましたが、今回は第2章の冒頭文です。

 

eitarokono.hatenablog.com

 

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第2章 
答えのない問いに答えを出す
〜VUCA時代の問題解決のキホン〜
「正しさ」より「早さ」

「VUCA」の環境に置かれている現代のビジネスパーソンにとっては、「問題解決」も 一筋縄ではいきません。

これまでの経験則が通用しない問題は、より一層増えています。環境がめまぐるしく変わることで新たな問題が発生したり、解決しようとしていた問題が変わってしまったりすることも珍しくありません。それ以前に、何が問題なのかわからないことさえあります。

では、VUCA時代の高度な問題に立ち向かうためには、何が必要なのでしょうか。

それは、「早さ」。スピーディに前進する「速さ」というよりは、クイック、アーリーと いった意味の「早さ」です。

正解の確信がなくても良いから、まず早期に意思決定をして即座に実行することです。

なぜなら、これまでの経験則が通用しないような問題は、いくら机の上で考えたところで、正解にはたどりつけないからです。解決策を見つけ出すには、とにかく何度もトライ&エラーをするしかありません。 それなら、1分1秒でも早く試したほうが良い。 たとえ間違っていたとしても、すぐに修正すれば、早く正解にたどり着けます。 この「素早い試行錯誤」こそが、VUCA時代の問題解決のコツです。

 

「先延ばし」には百害あって一利なし

近年、ソフトウェアやアプリなどの開発で「アジャイル」という手法が主流になってい ます。これは、不完全でも良いので短期間でベータ版をつくり、顧客に使ってもらって修 正点を見つけ出して、徐々に完成度を高めていくという手法です。

その根底には、「最初から正解を出そうとするのではなく、クイックに試してみて、修正 を繰り返したほうがニーズに合う」という考え方があります。

かつては先々まで見越した計画に基づき、長期間をかけて完璧な完成品をつくり上げる 「ウォーターフォール」型の開発が主流でしたが、VUCAの時代には、「アジャイル」型のほうが適しているというわけです。 しかし、いまだに多くのビジネスパーソンは、これと真逆の状況に陥っています。 解決策とおぼしき方法が目の前にあっても、「本当にこの方法で良いのだろうか」と実行をためらってしまう......。これは、関係する人の数が多ければ多いほど、顕著になります。

VUCA時代に問題解決をする上で最も避けるべき行動は、意思決定を先送りにして、 何もしないことです。

極論すれば、たとえ間違っていても、まずは解決策を実践したほうが、前に進めるわけ ですから、何倍もマシです。先送りするのは、ただただ時間をムダ使いしているだけです。

質の高い試行錯誤の「2つのポイント」

とはいえ、何でもかんでも試行錯誤すれば良いと言っているわけではありません。

私は、質の高い試行錯誤をするためのポイントは、次の2点にあると考えています。

1.「検証する価値のある解決策」なのかを、目的に照らし合わせ判断すること

2.その解決策を実行まで導くこと

まずは、検証するのは何のためか、を改めて考えましょう。

そして、その問題の根本は何か、目的達成の判断基準は何か、そもそも問題をどう設定 するかといった事柄に考えをめぐらし「、検証する価値のある解決策」を設定すること。ここがおろそかだと、どんなに労力を投じても、意味のない活動になってしまいます。

次に、その解決策を実際に行い、結果検証を行うこと。

どんな優れた解決策も、実行できなければ意味がありません。アイデアだけではダメですし、始めるだけでも不十分。やり遂げて結果が出るまで継続する必要があります。

本章では、解決策の設定および実行の両面から、VUCAの時代に必要な問題解決のコツを、述べていきたいと思います。

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いかがでしょうか。

何かのヒントになれば幸いです。

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