こんにちは。
ここ数日で何度か「改革を起こすコツ」って何かありませんか?と聞かれる機会がありました。
今日は、これについて考えてみたいと思います。
「コツ」の効用
会議のコツ、コミュニケーションのコツなど概念が小さく、また経験頻度も多くなればなるほど、コツのアイデアも出やすいですし、効用も大きいです。
一方、概念が大きくなるとコツも複合要素ですし、同時に難易度も上がるのでご期待取り!というコツもなかなか挙げづらいですよね。
選挙のコツ!とか、国家運営のコツ!とかノーベル賞を取るコツ!なんかも難易度の高いものですし、経験者も少ないです。
夫婦安泰のコツとか、長生きのコツなどは、身近かもしれませんが概念が大きく、いろんな要素が絡んできて光るコメントをするには、よっぽどの説得力が無いと納得を引き出せません。
表現を変えると、このような難易度が高く、概念の広い命題にキラリと光る回答をできるひとは、過去の実績から醸し出す権威があるか、深い洞察力があるかのどちらかなのではないでしょうか。
「そんなのあったら苦労しない」の前に
で、元に戻って「改革を起こすコツ」。
これも「そんなのあったら苦労しない」と思ってしまいがちな命題ですが、やはりそこには先人の知恵があったりします。
先人の知恵は、書物になっていたり、公式として教科書に採用されていたり、ことわざとして流布していたり。
身近なところではフレームワークとして整理されていたりします。「改革を起こす」にたいしては、フレームワークで説明するのが良いかもしれません。
「改革を起こす」という表現には、「改革」のアイデアそのものを考える事と、それを実行することの大きく2つの要素があります。
ダイバーシティからインクルージョンへ
一つ目の、「改革」のアイデアを考えるにもいろいろ方法はあるのでしょうが、発想をバラエティ豊かなものにする、という意味ではダイバーシティという考え方(フレームワーク)がぴったりなのではないでしょうか。有名な小話としては、「食塩」の売り上げを上げるために必死に頭を悩ませていたプロジェクトチームに対して、当時の事務のおばちゃんが「そんなの、食塩の瓶の穴を大きくしちゃえばいいじゃない」とコメントして、それが具体化しちゃったはなしとか。
踊る大走査線のワンシーンで身代金に使う大量のお札のナンバーを必死にメモするメンバーに対して雪乃さんという登場人物が「コピーしちゃえばいいじゃない」というシーンもこの一つですよね。(たしか、実際にやったら違法ですよね)
さらに、フレームワーク的に言えば、いまやダイバーシティは、インクルージョンという領域に突入していて、割合や人数といった外形的な要素から、どのように価値を出していくか、という議論に移っています。
物事が動かない理由
で、二つ目の、「改革」の実行についてもフレームワークがあります。「なぜ、人は動かないのか」という視点から整理したフレームワークで、「意義が分からない:Why」「できない:Can」「やろうとしない:Will」の3つに要素分解されます。
人が動かないにもそれぞれ個別に理由があり、それを一緒くたにして「あいつが悪い」としてしまうと、ストレス解消にはなっても未来志向にはなりません。
ただ、こうやって要素分解すると対策が少しだけ見えてきます。分からない人には説明し、出来ない人には出来るようになってもらったり、出来るひとをつれてきたりすれば良い。やろうとしない人にはやる気になってもらうための対応策があります。
もちろん、分解したところで難易度が下がる訳ではありませんが、頓珍漢な対策だけは回避できますよね。
先人の知恵を活かす
自分自身の経験でひねり出したコツというのもすばらしいですが、やはり多くの課題・命題は旧くて新しいものであったりします。
今まで誰かが挑んできた課題であれば、そこには経験からくる知恵が存在しているはずです。この「先人の知恵」を使わずに自分でウンウンうなってひねり出す事にも意義はありますが、個人にとって時間は有限ですからね。
先人の知恵をシンプルに整理して活用することはとても有効です。知恵をひねり出した先人も使ってもらう事で意気に感じてくれるはず。
みなさんはどうお感じになりますか?