早すぎた改革者⁈ 『塩野七生 皇帝フリードリッヒ二世の生涯』

こんにちは

読書量が減りがちな昨今

皆さんは、バスや電車、タクシーなどの移動時間に何をされていますか?

多くの人はやはりスマホ を取り出してしまうのではないでしょうか。

僕もご多分に洩れず、スマホを取り出して仕事を処理することが多いです。

どうしても仕事が気になるのと、そういう隙間時間を活用しないと対応が遅れてしまい、人に迷惑をかけたり自分の睡眠時間を削ったりすることになるからです。

電車に乗っている時に、車内を見回しても、印象としては9割以上の乗客がスマホ画面を見ていますよね。

そんな中で、本を紐解く人を見ると頼もしく感じたりします。

ある人が言っていました。「こんな時代にこそ、本を読む人は強い」と。

僕のここ数年の悩みも、これに関連するものです。

単純に本を読む量が減っている。読みたいという思いはあるし、書店に行けば次々と手にとってレジに並んでしまいます。

で、結果的に自宅に書籍の待ち行列ができる・・・

しかし珍しく、文庫本の発売日当日に購入して、一気に読み切った本がありました。

それが 塩野七生著「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」でした。

上下で1,000頁のそれなりに読み応えのある本です。

この直前に同じ塩野七生さんの「十字軍物語」も読んでいたので流れは良かったです。

皇帝フリードリッヒ二世は、ルネッサンス時代がおとづれる直前に登場した、ルネッサンスっぽい考え方を持った人でした。

当時、表面化しつつあった社会の歪みを、新しい考え方で正そうとした皇帝でもありました。

そういう人にありがちな、守旧派からの妨害や抵抗に晒されながらも切り開いていくという、思想と実行力の伴った人だったようです。

いかにも塩野七生さんが好んで取り上げそうな歴史上の人物です。

詳細は読んでいただくとして、僕が考えたことは三つ。

①必要な変革も、拙速すぎては実現できない

②変革を成功させるには、変革そのものに加えて定着化の措置も同等に重要

③社会は停滞や後退をすることもある

まず、

①必要な変革も、拙速すぎては実現できない

もっとも印象的だったのは、これ。

やるべきことが分かっていても、それが当たり前になるのは少し時間差があるという言い方もできるかもしれません。

キリスト教カトリックのトップである教皇が太陽で、神聖ローマ皇帝はその光を浴びてこそ光る月である、と言われた時代に、この主人公は論理性を追求し、納得しなければ教皇の命令も無視する、という行動をとり何度も破門になったようです。

そして、封建領主の集合体でしかなかった国家を法治国家に持って行こうとしたわけです。

ルネッサンスの先取りをしすぎてしまったので、彼の死後は結局守旧派に巻き返されて、一族は悲劇的な結末を迎えることになります。

半歩だけ進んでいれば社会も追いつけたのだろうな、と思いますが二歩も三歩も進んでいたから、一般の人は意味がわからなかったんじゃないかって思います。

とはいえ、進んでいたから彼の生涯は後世の僕らからも魅力的に映るんでしょうね。

日本で言えば織田信長とか、小沢一郎とかみたいな位置付けだったのかな、なんて思いました。

②変革を成功させるには、変革そのものに加えて定着化の措置も同等に重要

これは①の続きとも言えますが、システムとして確立せず人の能力に頼っていると変革は定着しないな、と。

この物語でも、変革の旗振り役のフリードリッヒ二世が亡くなった後、それを引き継いで国家のシステムとして運営することができませんでした。

かなり人材を育成したようです。それについてはそこそこシステマチックにできていたように感じました。

運や悲劇、抵抗勢力の各種の陰謀などもろもろの理由があったにしろ、ただ、結果としては十分に機能しなかった。

人を育てることは必要条件かもしれませんが、十分条件じゃないんだな、と思います。

その人が活躍するような基盤を整えないと。それが十分にできてなかった。時代に先行しすぎていたことが一因なのかもしれません。

③社会は停滞や後退をすることもある

これも今の時代に通じるのではないかとさえ思ったことの一つです。十字軍物語を読んだ時も同じように思いました。

中世のヨーロッパというのはローマ時代と比べて、多方面で退行していた時代だったようです。

農業の生産性や、都市の衛生管理、人の数から寿命や体の大きさに至るまで。

僕なんかなんとなく、文明や社会というのは必ず一方向に発展し続けるもの、と考えがちですが、社会のシステムに欠陥があると大幅に退行しうるもののようです。

現代は経済がグローバル化して、一箇所だけ取り残されることの方が難しくなりつつありますが、とは言え国際間比較をすると日本は徐々に退行しているように見えなくもないですね。

文明は発展し続けるという無自覚な思い込みや、「日本は特別」信仰などもあまり良い影響を与えていないと思います。

権力を持った守旧派により、停滞してしまったヨーロッパの中世から、我々も何か学ぶものがあるんじゃないかな、と思った次第です。

 

塩野七生さんの文体は他のようにすごく好む人と、なかなか読めないと感じる方とかなり二極化するようですが、もし興味が湧いたら是非手にとってください。

日々の行動に何かしらのヒントがあると思いますよ。

皆さんはどう感じるでしょうか。

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2020年の抱負

こんにちは。

前回はベスト10的に2019年を振り返ったので、eitarokono.hatenablog.com

 

ここ数年カテゴリー分けして整理して掲げてきた目標も、今年は形式張らず思いつくままベスト10的にあげてみたいと思います。

10位:早起き

2019年、過ごしてみて、一番のチャレンジは時間の捻出でした。

全ての土台になる時間の捻出が、結構大変でした。

それなりに体力を使う、移動の多い仕事だったこともあり、帰宅後デスクワークをすることが増えました。

もともと朝型だったのですが、夜型に近い生活になっていたと反省しました。

なので、今年は朝の早起きを自分に課してみたいと思います。具体的には5時には起きる。夜の会食がないときへ早寝して、4時台にはおきたいです。

9位:読書

これも昨年の反省から。

ビジネス書やオンラインの記事に偏ってしまい、文学や歴史書などに触れる機会が激減してました。

終盤に意識して読む本の種類を変えていったら、かなり頭も落ち着いてきたので、コレを今年も続けます。

8位:英語

IBMから離れて以来、英語に触れることが全くなくなりました。

20年以上に及ぶ社会人生活で、この1年が最も英語に触れなかったのではないかと思います。

ある意味その面で全くストレスが無かった、と言えるのですが、むしろ危機感を持ちます。

この小さな社会で、かつ明らかに衰退していく日本の国内マーケットでは、英語無しで立派に生活できてしまうのです。

コレはかなり社会としてまずい。ガラパゴス化してたまうのも無理はないです。

なので今年は意図的に情報収集やプロジェクトなどで、海外とのやり取りを増やしていこうと考えました。

7位:競泳レース3回

フィジカルな健康のため、と思って泳ぎ続けているのですが、レースを目標にするとさらにモチベーションが上がります。それだけではなく、レースを通じたチームとの交流なども楽しいので、その文脈でも無理のない範囲で、できれば年間3回のレース出場を目指します。

6位:発信活動:ブログ中心

ブログは昨年の後半やめてました。年が変わるというシンプルなきっかけですが、改めて開始します。

頭の整理に使えますからね。まだYouTubeデビューの勇気はありませんでした。笑

5位:ネットワーキング

振り返って、自分のビジネスだけではなく生活の全てが今までいただいたご縁から成り立っているという当たり前のことに改めて気付きました。

SNS時代は更にそうです。昨年も何年ぶりかにお会いして旧交を暖め合う機会がたくさんありました。

多くのイベントに顔を出すタイプのネットワーキングも有効かもしれませんが、僕の信念として、これまでのご縁を大切にすることを通じたご縁の広がりの方が、結果的にお互いの価値が高いと思ってます。

だから、今のご縁を大事にして、その先さらに広がりを持てたらなあ、と思います。

相手にその価値がある、と思ってもらえるように自分の方も高めていかないと、ですね。

4位:子らとの時間

いつも目標を考える時は年末年始ですので、子供たちと一緒にいる時間が多くなります。

それゆえかもしれませんが。

ふと気がついたのですが、子供らも大きくなってしまって、あとどれくらい相手にしてくれるかなぁ、と思った時ほんの少しでも時間を取りたいなあ、と思った次第です。まあ、だんだん相手にしてくれなくなってるので、片思いになる公算が高いですけど!

3位:出版

今年も世の中に価値ある提案を出版と言う形でできたら良いなあ、と希望してます。

コレこそ、ひとりではできませんので、多くのひとたちと共に進めていければ、と思います。

2位:BB2B(Building Bridges to the Better)

自分の会社であるEight Arrowsを軸にやっていきたいことです。

なにかと何か、だれかと誰かを繋げて、世の中にポジティブな影響を与える、というコンセプトです。

昨年はキックオフも含め2回実施しましたが、時間が取れず、それだけに終わりました。

今年はなんとか協力をいただきながら、より広く展開していけたらと思っています。

1位:現行プロジェクト・業務

何よりも、今のお客様がもっとも優先度高いと思っています。

5位のネットワーキングのところでも述べましたが、今のお客様を大切にすることにより新たなお客様への展開が初めて可能になると信じています。

Aidemy、Eight Arrows、 拙著の読者、グロービスの受講生など、全ての現在のお客様へ全力で価値を提供すること最優先事項としたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんの今年の目標はどんなものでしょうか?

 

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2019年振り返り

こんにちは。

ブログを書き始めて5年以上経ちました。

2017年の秋に体調を崩して2週間ダウンしていた時以外は、毎週必ず書いていたのですが、実はこの秋頃からちょっとやめてました。

深く考えて止めていたわけではなく、なんか余裕がなかったから、というところです。

夏ころから更新頻度が落ちてきて、最後のポストは10月でした。

それまで、どんなに忙しくても書いていたのですが、書いていた頃を振り返って思うと、どちらかというと書くことでストレス発散していた感じでした。

仕事を通じて出会う、理不尽やトンデモ人物、驚きや考えこむことなどが、僕に筆を持たせる原動力だったように思います。

そういうことが減ったのかな、とも思います。

ただストレスが減ったからといって、暇だったか、というとそんなことはなく、いわゆる仕事に打ち込む時間は、ここ数年稀に見る濃密なレベルでした。

落ち着いて考えてみると、初めて経験することもかなり多くあり充実度も高いものがありました。

2019年振り返り

もっとも大きな出来事は何かというと、明らかに「独立したこと」です。

ブログを休止していたこともあり、「今更振り返りもな〜」とか「大して変わったことやってないしな〜」なんて大晦日の明け方考えていたのですが、年末年始ということもあり、やっぱり少し振り返ってみようと、過去ブログや年始に立てた目標を読み直してみると、意外や意外。 

数年前だと思っていたことが、2019年の出来事だったことが分かり、むしろ驚いた感じです。やっぱり濃い1年だったんだな。

勝手な基準でベスト10にしてカウントダウンで振り返ってみたいと思います。

10位:ラグビーW杯開催

実際にみに行ったり、仕事で関わったわけではありません。

いわゆるニワカファンだったのですが、日本の試合は全試合見ました。

80分間通してみたのは、第1戦のロシア戦が人生初。80分制だというのもその時初めて知りました。

見終わった感想として、素晴らしいスポーツですね。

自分もアスリートの端くれではあるのですが、ラグビーのコミュニティはその中でも独特の雰囲気(結束の固さ、みたいなもの?)を持っているのはもともと感じていました。

なんか羨ましい、と思うことも多かったです。

その結束の所以が分かった気がします。

と同時に、こういうイベントを確実に有効活用した協会や選手、関係者の皆さんの努力は、何をするにも参考になると感じました。

9位:令和到来

元号の変更は、人生二度目です。

気分を変えたり、何か始めるには良いタイミングでした。開始したことについては後述します。

個人的な思い出としては、令和の到来をスキー場で迎えたことです。

それも、新皇后さま親子御用達のスキー場だったので、何かのご縁かなーということで験担ぎ。

8位:台風襲来

今年は台風の大きいものが連続しました。

初めてハザードマップを真剣に確認したのですが、セキュリティには常日頃から配慮しておくべきだ、ということを改めて感じました。

そして、広い意味での「サステナビリティ」についても今までより真剣に考えるようになりました。日々できることからコツコツと。思うだけじゃなくて、実行します。

7位:読書再開

読書については、趣味の一つなので常に本は読んでいます。

今更感があるのですが、今年はちょっと違ってました。

環境が変わり、いわゆる「仕事時間」が増えました。少しでも隙間時間を節約しようとして、移動時間も常にスラックやメールと格闘するようになり、本を手に取る時間が減りました。

たまに活字に触れるとしても、ビジネス系の書籍になってしまいます。人文系のものに当たる機会はほぼゼロに。

寝床で就寝前に本を開いても、のび太くん並みに秒殺で寝落ちするため、一週間で1ページ進まないくらいでした。

そうすると、なんかストレスが溜まって、メンタルどころか体にも不調が。

夏から秋にかけて、心身ともに結構大変な時期が続いたのです。

色々対策を講じたのですが、そのうちの大きなことの一つに、1日に必ず一定時間、人文系の書籍を開く時間を設定しました。

そしたら、効果てき面。色々な問題が一気に解決した感じがあります。

煮詰まった時に、違う脳みそを使うというのは、競泳の選手がオフシーズンに別の距離や種目に挑戦するのと同じような効果(説明がわかりやすくないと思いますが・・・)があるんですよね。

6位:競泳レース2回出場

目標には3回出場、としていたのですが、ジャパンマスターズが九州だったこともあり、2回に止まりました。

とはいえ、12月に出場した三菱養和マスターズは、リレーなども含めて1日で5種目出場し、メダルも2個獲得できたので、楽しめました。

正直、体力など下降気味でビクビクしてたのですが、意外に自分の体が強いことが分かって満足度は高かったです。

体力づくりやストレス解消も目的ですが、一緒に出場する人たちとの交流は公私ともに人生を豊かにしますね。ありがたいことです。

5位:BB2B開催

独立した後、色々新しいことやりたいなあ、とアイデアがいっぱい出てきました。

その中でも、有志の協力を仰いで実施できたのが、BB2B: Building Bridge to the Betterというイベントです。

有料イベント開催というのは初めてだったのですが、なんだか大盛況で満足度的にもビジネス的にも想定外の出来でした。 

その後、僕が欲張りすぎていろんな仕事が集中して、継続できていないのが残念ですが、なんとか開催していきたいなあ、という思いがあります。 

4位:出版

実際に書いていたのが、2018年中だったこともあってか、ずいぶん昔のように感じていた典型が、こちらの話題でした。

ブログもカウントダウンから始まって6回くらいこの話題に費やしています。

VUCA時代というキーワードは当時はアマゾンでも日本の書籍はありませんでしたが、そのあと何冊か出ています。

3位:IBM卒業

 2度目となるIBMを卒業でした。

当時のポストはこれ。

当時のメンバーもそれぞれの場所で活躍中です。ま、あの製品やあの環境であそこまでできたんだから自信持っていいよね。

 

2位:自分ビジネス

すでに立ち上げていた自分の会社であるEight Arrowsを緩やかに前進させました。

緩やかに、というのは、後述するアイデミーかなりコミットすることにしたので、どうしても時間が限られ、積極営業はしていないからです。

とはいえ、素晴らしいお客様やビジネスパートナーに恵まれ、当初の目標であった増収増益は達成です。

1位:アイデミービジネス

これが2019年一番のハイライトです。

いろんなご縁や偶然が重なって、アイデミーに関与することができました。

日々仕事することが、大変だけれど楽しくて仕方がない、という環境を久々に経験しています。

周りの環境やお客様、業務内容や会社のステージなど、新しくて面白いことばかりが重なって、刺激に満ちた日々を過ごしています。

何しろ、対前年比数パーセント増を目指して奮闘し続けた十数年間の日々から、打って変わって300%、400%は当たり前。

3ヶ月前とは全く異なる世間の評価。毎週のようにどんどん成長する社長以下同僚たち。

楽しくて仕方がないし、この歳でこれだけの刺激を受けられるのは奇跡としか言い様がないです。

なんと、先日は経団連にまで加盟してしまって、この先また1年何が起こるやら。

総括

やりたいことややれる機会がいっぱいありすぎて、できれば一日20時間くらい働く体力が欲しいなあ、と思うような中身の濃い日々でした。

が、体は先に老いてきます。だからあまり体力的には無理はしすぎず、知恵を使うことでなんとかやりくりしてきたのですが、まだまだ工夫次第でもっと多くのことができると思っています。

2020年、どのように過ごしていくかは次の機会に譲ろうかと思います。

まずは、おかげさまで楽しい充実した1年が過ごせたことを感謝しつつ、ご報告します。

皆さんの2019年はどんな年だったでしょうか?

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カッコいいオフィスで旧態依然

こんにちは

オフィスの進化

仕事の中で、様々なオフィスにお邪魔することがあります。

色々考えられていて、素晴らしいなあ、と思うこと本当に多いです。

ここで仕事をしたら、パフォーマンスが上がるだろうなあ、なんて思ったり。

実際に少し仕事をしてみたりすると、非常に集中できたり、議論が活性化したり。

良いことが多いです。

オフィスも日進月歩。イノベーションですね。

以前、IBMの旧六本木本社のオープン当時の職場風景を写した映像をみたのですが、当時の最新鋭も、やはり今見ると、オフィスそのもののイノベーションの歴史がよく感じられました。

実際にこの場で、様々なイノベーションが起こってきたのだろうと思います。

イノベーティブな場所で、プリミティブ

で、今回思ったことなんですが、AIを駆使した各種設備が整ったオフィスの中で、非常に違和感を感じるシーンをよく目にするのです。

いわゆるサラリーマンのおじさんが、スーツの一部のようなものを着て、会議卓にずらっと座り、それでも椅子が足りなくて周りの椅子を持ち込んで、すごく素敵なガラス張りの会議室にギュウギュウ詰めにされている。

さぞや活発な議論が行われていることだろうと思って見ると、(まあ、実は思ってないのですが)喋っているのは先頭の一人だけ。

あとは、スクリーンを見るふりをしてぼーっとしている。

これ、すごく違和感ないですか?

保守的というか前近代的というか。

最新鋭施設の無駄遣いというか。

宝の持ち腐れというか。

思考停止というか。

なんのための最新鋭のオフィスなんだろうか。イノベーションを起こそう、ということを趣旨に作ったはずのオフィスをそういう態度で使うのは、作った人にも失礼だし、目的合理性の観点からも整合してないので、どうかと思った次第です。

もちろん、アウトプットさえ出てくれば良い、という考え方もあるのはわかります。

だったら、別の場所でやってもアウトプット出るんじゃないか、って思うのです。

せっかくの新しい目的を持った場所だったら、使い方や関わる態度、できればカタチなども変えてみるのはいかがでしょうか。

皆さんはどう思われますか?

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皆さんの会社の会議室にはホワイトボードはありますか?

こんにちは。

議論が空中戦になったとき

皆さんは、会議でホワイトボード(フリップチャート)を使いますか?

使うとしたら、どんな時に使いますか?

多くの場合、考えていることを人にわかりやすく伝える時に使うと思います。

人にわかりやすく伝える必要がある場合というのは、大抵は皆がすでに知っていることを題材にしている時ではなく、何か新しい考えをひねり出したり、相手にとって初耳のことを教えたりする時に必要になります。

認識合わせの時にも使ったりしますよね。

もちろん、パワーポイントやグーグルスライドなどでもできなくはないのですが、もし顔を合わせて同じ空間にいるのであれば、やはりホワイトボードやフリップチャートのスピード感や臨場感、柔軟性は一日の長があると思っています。

で、逆の視点から見ると、もし顔を合わせる会議が行われる会議室に、ホワイトボードもフリップチャート無いのであれば、そこでは何も新しいものは生み出されていない、単なる報告や情報共有の顔合わせしかしていない、ということになります。

皆さんの組織はどうでしょうか?

会議室に書いて議論する施設はありますか?

「優秀なプロジェクトマネジャーの条件」

これに関連して少し思い出した話があります。

僕は以前、ある会社で人事系部門にいた時に「プロジェクトマネジャー(PM)育成タスク」というのを担当したことがあります。

業界でも顔の利く、大物5名を選んでもらい、ヒアリングして回りました。

どんなPMが優秀な人で、そういう人はどうやって育ってきたのか、というのを別々の場でじっくり話してもらいました。

それぞれが、超一流の人だったので、それぞれのご意見があります。

「プロジェクトは始まる前から成否が決まっている。いかに計画を詳細化したかが勝負だ」とか「メンバーとのコミュニケーションが重要だ」とか「お客様の期待値をちゃんとキャッチしてコントロールするかが一番肝心」とか。

印象的だったのは、5人が5人、

「優秀な奴は、立ってホワイトボードに書き始める」

と言っていたことです。

僕はこの時、なるほどな、と思いました。

おそらくプロジェクトではいろんな課題やリスクが存在します。それをうまく方向づけるのはPMの役目。

いろんな解釈や対立があることでしょう。

そこに

「つまり、こういうことですね?」

と言ってホワイトボードを使う、という感じなのでしょうね。

ホワイトボードのない会社

さて、少し話を戻します。

実は僕は過去にホワイトボードのない会議室ばかりの会社にいたことがあります。

この会社は、多くの人がクライアント先で働くのでクライアント側にはあるのでしょうね。

それに(ちゃんと考えている役員の)役員室にはちゃんと設置してありました。

また、デザインシンキングを披露するためのフロアには設置してありました。

しかし、多くの会議室にはホワイトボードはありません。

すなわち、上の論法で言うと、この会社にいるときは基本的に新しいことを議論もしないし、課題を解決することもほとんど無い、ということになります。

デザインシンキングも披露する時だけ使って、普段は特にやってないと言うことになります。

もちろん、僕もそのフリップチャートの無いフロアの一員でしたので、

「フリップチャートかホワイトボードを導入しましょう」

と提案しました。

答えは

「会社としてはコストがかかるので、廃止した」

でした。

「じゃあ、僕らの部門だけでも導入しましょう」

と、当然言いますよね。

その答えが

「他の部門が勝手に使うと、うちの部門が損をする」

と言うものだったので、僕はその時点で気絶をしました。

部門長の任命というのは、本当に重要なことだと感じた瞬間でした。

Creativeな仕事をするという目的で提案したのですが、この目的を達成できなかったのは、ここで引いてしまった僕の責任です。

思考しないことに慣れてしまった人を説得してまで、ホワイトボードを設置する努力に使う時間は僕にはありませんでした。

ファシリティって意外に大事

人や組織の行動は、一見その所属メンバーの内側から出てくるようで、実は環境にもすごく左右されます。

確実なデータを持っているわけではないのですが、皆さんも経験的に賛同いただけるでしょう。

ホワイトボード一つとっても同じことだとおもいます。

人がなぜ企業に集まって仕事をするかというと、コラボレーションをするためだからです。

ホワイトボードやフリップチャートはその要となるツール。もちろん技術の進歩でそれに代わるツールは出てきているので、モノそのものにこだわるわけではありません。

が、やはり物理的な会議室を使っているなら、そのようなツールはあるべきなのではないかと。

よりクリエイティブな、建設的な、未来志向の議論をするために。

皆さんはどう思われますか?

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コンサル100年史を読んで、いろいろ”実践”したいと思った

こんにちは。

以前のブログでも少しコメントしてますが、独立を機に”コンサルティング”というものと向き合ってみよう、と考えました。

これからについて 〜人と組織を支援する仕事を深めます〜 - 河野英太郎ブログ”On”

また、事業会社としてコンサルタントを雇う側にもあり、かつ他にも理由もあって、この週末この本を改めて読んでみました。

 

コンサル一〇〇年史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

コンサル一〇〇年史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

 

出版年も4年前で、一度目に手を取ったのもだいぶ前です。

今の視点が、その時のこの”コンサルティング”という職業や業界に対しる向き合い方や視点とは全然違っていて、その時とは全く違う非常に多くの示唆に富んでいました。

やっぱり同じ本でも、読むときの自分の状態によって琴線に触れたり役に立つポイントって全然違いますね。

スタートアップ的視点

100年史と銘打っている通り、前半の章は主に経営コンサルティングの黎明期から勃興期、成熟期に至る歴史を辿っているため、立ち上がりの頃の紆余曲折や苦労話は今の自分のいくつかの仕事ともよく似ていて、当事者意識を持って読むことができました。

立ち上げ期は、やはり情熱や信念を持って取り組んだ創業者や中興の祖がいたんだな、ってことがよくわかりました。

また、法律の変更や景況など追い風になるような環境もあって、コンサルティング産業というのは大きなうねりになっていったんだな、ということも改めてわかりました。

ブームになった時には多くの参入もあり、偽物もはびこり、そしてまた淘汰もあり。

その淘汰を生き抜くには情熱や信念と、もう一つ二つのキラリと光る差別化要素なんかもあったんだな、と感じました。

ユーザー視点(クライアント視点)

産業を育てるのは、提供側の努力はもちろん、ユーザー側の成熟も必要ですね。

ユーザーに理解をいただくためには、当たり前ですが前例にとらわれず、とはいえ先人の知恵や権威をちゃんと活用しながら、手を替え品を替え、試してみることが重要だな、と思いました。

また、これから求められるコンサルタント像は、ファクトベース(いわゆる頭脳・スキル系)とグレイヘア(人間性・経験系)という二大要素の両面を持っている人だ、という主張に大いに感銘を受けました。

ファクトベースで積み上げたり、新しい技術を取り込んだりすると同時に、それまでに培った経験や人間性をベースに経営者に寄り添う、と。

いくらデータがそう言っている、と言っても理想やあるべき論だけでは組織は動きません。同時に、クライアントのビジネス特性や企業の成長段階を考慮せず、過去の経験のみのお仕着せノウハウを無理やり当てはめる方法も逆効果です。

クライアント目線としては、そういう視点でコンサルタントを雇うようにしないといけないですね。

もひとつだけ、この視点で考えたこと。

それは、やっぱり定着化の視点です。

いくらコンサルタントが、クライアントに”寄り添う”って気持ちの上では思っても、利害を共有して名実ともに一緒にやっていくには、仕組みが必要だし、それなりに時間も必要だと思います。

著者の並木さんは、成果報酬型を主張されていました。

僕も大いに賛成だし実行中です。

一旦その方針(成功報酬型)でプロジェクトを始めると、関与するコンサルタントのクリエイティビティが一気に解放される、ともコメントされていました。

これ正に現在進行形で経験しています。

コンサルティング業界に求められる”変革”

最終章である第5章は、コンサルティング業界に求められる”変革”というテーマでした。

2015年に出た本ですが、僕の感覚ではここに書いていあることは現在も課題であり続けてるな、と思います。

詳細はぜひ本書を手にとってもらえればと思うのですが、GDPで比較した時にまだ日本のコンサルティング業界は、アメリカやドイツなどと比べて極端に小さいようです。

言い方を変えれば、やり方次第では伸びる余地がある、ということ。

並木さんは大きく5つの解決に向けた処方箋(ヒント?)を提示してくださっています。

これ、どれも僕にとって今まで違和感を持っていたことへの答えになっていたので、すごく腹落ちしました。

違う言い方をすると、世の中にありがちな”コンサル”の様々なマイナスイメージも、当事者(業界側と顧客側)がこの処方線を実行することで解決されていくように思えます。

僕はこれらを参考に、今関与している事業(いっぱいあるけど、全部当てはめられる)に活かしていきたいと思いました。

ご興味あれば、みんさんも是非。

習慣のワナ〜「原本を送付ください」→「ウチも印刷して送るだけなんです」〜

こんにちは。

習慣として残る業務

冷静に考えれば、変更するのが当たり前なのに、つい習慣で今までと同様にやってしまっていることってありますよね。

で、それに気づいた周りも、相手に”気を使って”指摘をしないために、全く改善されない。そんなことありませんか?

最近、僕はいろんな場面で見積書や請求書を発行するのですが、結構頻発するのが、ソフトウェアからPDFで出力された見積書を宛先に送ったところ、

「ありがとうございます。確認しましたので、原本を下記住所までお送りください」

という返信が返ってくることです。

で、ここで

「承知しました」

といって対応することが多いと思います。

何しろ、相手はお客様ですから。

でも、よく考えるとこちらで実施する作業は、印刷して封緘して、切手貼って送付する。先方では、窓口が受け取って配布して、担当者が受け取って開封して、処理担当者に回す、その間には物理的に紙が移動するわけです。

言われれば、シンプルに「なるほど」

で、ポイントは、以下の一言を返してみてはどうか、ってところです。

「承知しました、原本手配することは可能です。ただし、弊社側でもこのPDFを印刷してお送りするだけなのですが、それでもよろしいでしょうか」

そこで、大体相手は”習慣の呪縛”から解かれます。

「あ、そっか」と。

特に僕が使っているシステムは印章部分もシステムから出力するので、実際の角印で捺印してるわけではないことが伝われば、ほぼ間違いなく

「こちらで、印刷して処理に回します」

と返ってきます。

何しろ相手は「DX事業部」だったり「AI担当」だったり、それこそ世の中でも最もデジタル化が進んでいる仕事をやっている人たちだったりするわけですから、それに反対するはずがありません。

単に、習慣的に「捺印文書は原本でなければ」と刷り込まれてしまってるだけだったりします。

現在、我が国で何枚の、有印文書の”原本”がやり取りされているかわかりません。

契約書ならまだしも、見積書や請求書であれば原本を確認する必要があるケースはかなり絞られるはずです。(上記のケースだともともと、印刷物が原本なのですが)

見積書と請求書の原本を撲滅するだけでも、樹木にして何本か。燃料にして何リットルか。切手代やインク代でいくらか。積み上げた残業代・残業時間いくらか。・・・が削減されるのではないかな、なんて思うのです。

こういったことって明確に認識されてないだけで、潜在的には本当に多いんじゃないかな、って思うのですが、いかがでしょうか。

皆さんの周りでも習慣のワナってありません?

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