副業奨励の相乗効果  〜会社と人材の関係性が変わってきます〜

こんにちは

副業推進のニュース

先日News Picks経由で以下のような記事が流れてきました。

www.asahi.com

ロート製薬が正社員に副業を許可する、というもので、アフィリエイトやボランティアなどの個人事業的なものだけではなく、他社に雇用されることを想定した内容のようです。

僕はもともと、パラレルキャリア信奉者ですので自分自身のキャリア志向としてもこのような副業は公務員などをのぞくほぼ全ての人に奨励するべきだと思っていました。

僕の知り合いでも、会社員であると同時に芸術の分野で収入を伴う活動を、継続的に実施している人もたくさんおられますし、作家業を同時並行で実施されている人もいます。

でも実際には、あまりおおっぴらにこれを奨励する企業はありませんし、副業絶対禁止という会社も幾つか聞いた事があります。

副業は奨励されるべきだと思います

そのような状況の中で、名の知れた企業が大々的にこのような施策に打って出たのは時代も変わったなあと思うとともに、是非追随する企業も出てほしいなあと思い、思わずNews Picksに次のように書きました。

「大いに賛同します。生活基盤が他にあれば堂々と社内で正論が吐ける。仕事の品質も上がる。起業だって増えるはず。合わせて長時間労働や付き合い会議も減るでしょう。会社側が考えるべきことの重心は社員のエンゲージメントを高めることにシフトする。第4次産業革命時代の人材の在り方なんじゃないかと思いま す。
経済産業省の産業人材政策にも期待!」

これは僕自身が経験から学んだ事でもあり、多くの組織の抱える問題でもあります。

仕事をしていると、嫌な事って普通にあります。好きなことをやっていても、嫌な事やつらい事はあるものです。そういう状況を乗り越える事に成長がある、というのはある意味正しいとは思いますが、信念に反する事やどうしても許せないことというのはそれとはちがいます。

そんな時にも組織に所属していると、飲み込まなければならないこともあるでしょう。その理由の多くは「今いきなり生活基盤を稼ぐための職を離れるわけにはいかない」というモノなのではないでしょうか。これは「処世術」とか「大人になる」というもので、これはこれで重要なスキルです。

でももし、他にも生活基盤を満たす可能性のある仕事を幾つか持てていれば「この仕事は、やるべきではありません」とか「人を侮辱するものではありません」と言った正論が言えるかもしれません。

仕事の品質云々というのは、例えば「会社人生=仕事人生」である場合(旧い組織ではもしかしたら未だに「会社人生=人生」かもしれません)、同じ会社の人か一部のお客さんだけとしか接点を持たないという事になります。

同じコミュニティからの刺激だけからは、新しい価値は生まれにくいものです。

異業種交流会や趣味の集まりでも価値は生まれますが、社外であっても、もう一歩踏み込んで金銭を伴うようなビジネスとしての関係を築くことになると責任が生じるため得るもの与えるもののレベルが変わってきます。

結果的に個人の社会的価値が上がり、副業を認めた会社へのフィードバックの価値も上がるということを意図しています。

もう一つ、仕事の品質に関して言えば、副業をやれば時間をやりくりする工夫を始めます。どうすれば結果的に最短距離で最高の価値を生み出せるかを考えるため、無駄な会議や無駄な会合を見極めるようになり、時間使い方も自ずと高品質になってくるわけです。

「起業だって増える」というのは、外との交流が増えることでアイデアの化学変化のようなものが起きる機会が増えます。会社からの拘束時間が減れば、そのような活動に当てる時間に使う事ができます。

そういえば、改めて手に取ったダイヤモンド社「チームの事だけ考えた。」にも、サイボウズは副業が原則自由ということが書いてありました。で、今のところサイボウズは元気がいいです。

社員の事だけ考える➡会社のためになる

これらの良い循環を実現するためには、つまるところ今の会社が発想を変えて「副業禁止」を解き、仕事の効率化を推進することだろうと思います。

ちょうどIBMの仕事関連で「第4次産業革命」について調査していたタイミングでもあったので、以下の報告書を踏まえて、産業人材政策についても言及しました。

www.meti.go.jp

審議会の部会自体の主旨は「モノのインターネット」や「人工知能」などが行き渡った時代の産業構造について議論するものですが、人材育成について議論した会が首記の会です。産業構造が変わり人の役割も変わってきます。

そうすると求められる能力も変わりますし、会社と人の関係性が変わってきます。

予測不可能な領域は多いのですが、ある程度予測できるものもあります。また変わってしまってから対応するのでは間に合わない事は誰が見ても分かることです。

やるか、やらないか、の違いだけだったりするけれど、それがまた簡単な事ではないと同時に大きな差を生む違いなんですよね。

分かっちゃいるけど・・・の世界ですね。

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写真は、ケーキ2つ。パラレルにかけてみました。