こんにちは。
今日は、改善・改革のなかでよく耳にする「そんなの簡単だ」「そんなに簡単じゃない」という言葉について考えてみます。
基本に立ち返ることが王道
ビジネスの現場で何かを変えたいとき、例えば業績をターンアラウンドしたり、組織の文化を変えたり、メンバーの行動を変革したりというとりくみを行う必要があるときに、人は途方に暮れる事があります。
何から手をつけたら良いか分からない。今までやってきたのに何ともならなかった。そもそも自分の手の届かないところで決まったこと、などできない理由がたくさん思い浮かびます。
そういう時に変革の担い手となるのが「リーダー」と呼ばれる人たちです。変革が無いところにリーダはいません。言い方をかえると、やる事や向かうべき方法が決まっていたらリーダーは要りません。
では、リーダーは(もしくは、リーダーを目指す人は)その時にどうするのでしょうか。
リーダーだって魔法使いではありません。どうにもならないような状況に対して起死回生の飛び道具を取り出して、状況を一気に解決するというような魔法を使えるのは一握りの天才か映画の中のスターだけです。
一般人の我々が、できることは「基本に立ち返る」。これに尽きると今のところ思っています。
意外にできていない「基本」
基本に立ち返る、というのは具体的にどういう事かというと、例えばなかなかモノが売れないのなら、マーケティングのフレームワークに立ち返ってみる、とか市場分析のフレームワークに立ち返ってみるとか。プロジェクトが巧く行っていないのであればプロジェクト管理の方法論に基づいて現状を分析してみるとか。いわゆる教科書的な事を愚直にやってみる事です。
これ、意外にやられていません。
やられていない理由はいくつかありますが、主に「そんなの誰でもやっている」「そんな簡単なことじゃないはずだ」「教科書的すぎる」「評論家的なやつが言うセリフだ」という抵抗が最も大きいでしょう。
しかし、ここで立ち止まって2つの方向から考えてみるべきだと思います。
①本当にやれていますか?
そんな基本中の基本だから「だれでも知っている」というのは正しいでしょう。戦略論やマーケティングの基本書には必ず書いてありますから、ビジネスに携わっている大半の人は知識としてはもっているでしょう。
でも、実際にやっていますか?と問われると、ほとんど99%の人がやっていないと思っていいと思います。
②本当に簡単ですか?
よく「言うはやすし、行うは難し」といいますが、99%の人がやれていない、という事でも分かるように、これって実は簡単なことでは無いのです。
簡単という言葉には、二つの意味があると思っています。ひとつは「イージー」という意味です。そしてもう一つは「シンプル」という意味。先に書いた「そんなに簡単...」の意図は、本来は「シンプル」という意味で解釈するべきでしょう。確かにシンプルです。しかし間違っても「イージー」では無い。
よく経験豊富なベテランの経営者がコメントしている「当たり前の事を当たり前にやる事が難しい」というのは本当だと思います。
愚直に、こだわり継続する
しかしシンプルであるが故に、本気でこだわり、継続すれば必ず成果は出るものでもあります。誰でもができる事を徹底する、ただそれだけでもあるからです。
ここで求められるのが、やるべき事を素直に受け入れ、愚直に継続できるメンタリティだと思います。先ほどの例でネガティブなコメントをしてしまっている人は、スタートラインにも立っていませんね。
まずは基本に立ち返る事のできる素直さが重要です。僕の周りの優秀な人は総じて素直です。そうでない人が一時的に成果を上げたように見える事もありますが、必ず墜ちていくのは偶然ではありません。
リーダーは魔法で奇跡を起こしたり、飛び道具で即問題解決したりするという行動は期待されていません。
大変な時こそ、基本に立ち返り地に足を着いた姿勢でメンバーを引っ張り、安心を与え、目指すところに向かうべくメンバーを鼓舞するのです。
良きリーダーであり続けるためには、そんなに難しい事はできなくても、基本に立ち返りそれを継続することも必要条件になってきます。
みなさんはどんなリーダーでしょう?