女性の上司(部下)を持ったときのコツとは? 〜すみません、分けて考えていません〜

こんにちは。

ご期待に沿えず申し訳ない

実は、講演等で質問をうけ率直にお答えするといつもがっかりされてしまうことの一つに「女性の活躍推進」にかかわることがあります。

「何か、工夫やコツはありませんか?」

という質問に対して、

「残念ながら、何も特別な配慮はしていません。普通に男女分け隔てなく接しています。出産やそれに伴うもろもろの配慮、重い物をもったり、高いところに何かをもちあげたり書いたりという配慮をする程度です。必要があれば意見を対立させることもあるし、ダメなものはダメ、良いものは良い、と是々非々で対応します」

とありのままを回答します。これに対して、明らかに期待はずれだという表情をされてしまうのです。

講演の時の質疑応答は、自分で言うのも若干はばかられますが、僕の本領発揮と思っています。多種多様な質問にたいして笑いも取りつつ「へー」という反応も取りつつ、有意義な時間にする自信があるのですが、ことこの件に関しては残念ながらホームランは打てていません。

区別して考えていない

考えるに僕自身のキャリアの大半を、IBMというこの領域では非常に先進的な会社で過ごしたからだと思います。

最初に持った上司は女性でしたし、それ以後も女性の部長にレポートした経験はぱっと思い浮かぶだけで5人挙げられます。(そもそも、現在のIBM CEOは女性です)

上司が出産に伴って休業に入られたという経験も複数回あります。

ですので、上司やメンバー関係なく周りが男性だろうと女性だろうと全く違和感無く仕事をしました。仕事上のコミュニケーションそのもので変化を加えたこともありません。

普通に自分も含めた男性が保育園のお迎えで5時に退社することも違和感無くとらえられていました。

一方で、最近転職したり、会社以外での仕事や活動の機会が増えたりするなか、どうやら世間一般では必ずしも自分が育ってきた環境が当たり前という訳ではないな、というのは実感しつつあります。

むしろIBMという環境がまだ特殊で、ある意味極端に恵まれた環境であったことを強く自覚しなければならないな、と思っています。

自分の行動も改善しなければ

そしてまた職場を離れて自分自身の家庭においても、十分に配慮できているかというとそうでもありません。

今週末参加した小学校の保護者会はやはり8割が女性でした。

質疑応答のときに他のお母さんから出た

「遠足のお弁当は、雨天休止でも必要か?予備日は遠足の有無にかかわらずお弁当が必要か?」

という質問が自分の頭にまったく浮かんでこなかった時点で「弁当を作る」という作業にたいして当事者意識が無かったことにやっと気がつきました。

自分にできること

世の中で一番大切なものが、命(いのち)だとすると、命を育む行為はその次に大切なことなはずです。

ってことは、社会全体で支えていかなければならないことです。

早く帰ることに違和感や引け目を感じる必要の無い環境。短い時間でも今までと同等の価値を生み出せる仕事の進め方。僕に取っては非常に取り組みがいのあるテーマです。

少しでも無駄な仕事は減らす、効率よく仕事をする。たったこれだけのことですが、極論すると命を支える行為なのだと考えるだけで十分取り組むに値することだと思うのです。

皆さんはどうお考えですか?