懐古主義?プラグマティズム? 〜品質向上の点で紙媒体のよさを考えてみる〜

こんにちは。

職場での作業環境の変化

90年代終わりに社会人になった僕たちの世代から、職場ではひとり一台PCが配布され、同時にペーパーレスを推進する時代になりました。
インターネットでの情報収集、過去資料の検索、資料の作成、プロジェクターに投影しながらのプレゼンテーション、メール添付やサーバー経由での情報のやり取りなど、今やホワイトカラーの仕事は電子媒体無しでは実施できません。
会議前に若手が、資料の準備のためにプリンターの前でイライラしながら待機、というシーンはだいぶ過去のものになりつつあります。
僕自身も、スピードや効率性、環境や品質の面ですら資料は電子媒体で完結するのが良い、という前提で社会人生活の大半を送ってきました。

紙媒体にも多くの利点がある

電子媒体自体の存在意義は全く否定するつもりはありません。やはり今後も職場での作業の中心媒体であり続けると思います。

が、一方で今になって紙媒体の良さを改めて再確認することがありました。

それは、書籍や雑誌などの紙媒体への掲載を前提とした、文字を中心とする原稿を扱うようになってからです。
PCで原稿を書き終えて、「よし」と思って担当の編集の方に提出すると、
「河野さん、これ、印刷して原稿チェックしました?してないでしょ?」
指摘されるのです。
「なんで分かるんだろう?」
と思いながら、実際に自分で印刷してチェックしてみると、確かにいろいろ修正点がめだちます。

紙に出力して文章の品質を高める

句点を打つ間隔だったり、改行箇所だったり、位置的に近い場所で繰り返し同じような表現を使ってしまっていたり。
紙に出力してみると、全体が見渡せるようになり一覧性が上がることで見えてくるものがかなり多いのです。
それまで、電子媒体で完結することがあたりまえだったので、おろそかになりがちだったことが印刷チェックというプロセスを差し挟むことで新たな視点が生まれたわけです。
少なくとも、紙に出力して利用することを前提としている資料であるならば、絶対にこのプロセスは必要になるのだろうと思います。

もちろん、紙は有限の資源です。安易な出力は回避すべきことではあります。

が、盲目的な電子媒体主義や紙媒体信仰などに偏ることなくバランスをとって、程度をわきまえながら、目的に応じて各媒体の利点を活用し効率よく仕事を進めて行くことが求められています。


皆さんはどう考えますか?