コンサル100年史を読んで、いろいろ”実践”したいと思った

こんにちは。

以前のブログでも少しコメントしてますが、独立を機に”コンサルティング”というものと向き合ってみよう、と考えました。

これからについて 〜人と組織を支援する仕事を深めます〜 - 河野英太郎ブログ”On”

また、事業会社としてコンサルタントを雇う側にもあり、かつ他にも理由もあって、この週末この本を改めて読んでみました。

 

コンサル一〇〇年史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

コンサル一〇〇年史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

 

出版年も4年前で、一度目に手を取ったのもだいぶ前です。

今の視点が、その時のこの”コンサルティング”という職業や業界に対しる向き合い方や視点とは全然違っていて、その時とは全く違う非常に多くの示唆に富んでいました。

やっぱり同じ本でも、読むときの自分の状態によって琴線に触れたり役に立つポイントって全然違いますね。

スタートアップ的視点

100年史と銘打っている通り、前半の章は主に経営コンサルティングの黎明期から勃興期、成熟期に至る歴史を辿っているため、立ち上がりの頃の紆余曲折や苦労話は今の自分のいくつかの仕事ともよく似ていて、当事者意識を持って読むことができました。

立ち上げ期は、やはり情熱や信念を持って取り組んだ創業者や中興の祖がいたんだな、ってことがよくわかりました。

また、法律の変更や景況など追い風になるような環境もあって、コンサルティング産業というのは大きなうねりになっていったんだな、ということも改めてわかりました。

ブームになった時には多くの参入もあり、偽物もはびこり、そしてまた淘汰もあり。

その淘汰を生き抜くには情熱や信念と、もう一つ二つのキラリと光る差別化要素なんかもあったんだな、と感じました。

ユーザー視点(クライアント視点)

産業を育てるのは、提供側の努力はもちろん、ユーザー側の成熟も必要ですね。

ユーザーに理解をいただくためには、当たり前ですが前例にとらわれず、とはいえ先人の知恵や権威をちゃんと活用しながら、手を替え品を替え、試してみることが重要だな、と思いました。

また、これから求められるコンサルタント像は、ファクトベース(いわゆる頭脳・スキル系)とグレイヘア(人間性・経験系)という二大要素の両面を持っている人だ、という主張に大いに感銘を受けました。

ファクトベースで積み上げたり、新しい技術を取り込んだりすると同時に、それまでに培った経験や人間性をベースに経営者に寄り添う、と。

いくらデータがそう言っている、と言っても理想やあるべき論だけでは組織は動きません。同時に、クライアントのビジネス特性や企業の成長段階を考慮せず、過去の経験のみのお仕着せノウハウを無理やり当てはめる方法も逆効果です。

クライアント目線としては、そういう視点でコンサルタントを雇うようにしないといけないですね。

もひとつだけ、この視点で考えたこと。

それは、やっぱり定着化の視点です。

いくらコンサルタントが、クライアントに”寄り添う”って気持ちの上では思っても、利害を共有して名実ともに一緒にやっていくには、仕組みが必要だし、それなりに時間も必要だと思います。

著者の並木さんは、成果報酬型を主張されていました。

僕も大いに賛成だし実行中です。

一旦その方針(成功報酬型)でプロジェクトを始めると、関与するコンサルタントのクリエイティビティが一気に解放される、ともコメントされていました。

これ正に現在進行形で経験しています。

コンサルティング業界に求められる”変革”

最終章である第5章は、コンサルティング業界に求められる”変革”というテーマでした。

2015年に出た本ですが、僕の感覚ではここに書いていあることは現在も課題であり続けてるな、と思います。

詳細はぜひ本書を手にとってもらえればと思うのですが、GDPで比較した時にまだ日本のコンサルティング業界は、アメリカやドイツなどと比べて極端に小さいようです。

言い方を変えれば、やり方次第では伸びる余地がある、ということ。

並木さんは大きく5つの解決に向けた処方箋(ヒント?)を提示してくださっています。

これ、どれも僕にとって今まで違和感を持っていたことへの答えになっていたので、すごく腹落ちしました。

違う言い方をすると、世の中にありがちな”コンサル”の様々なマイナスイメージも、当事者(業界側と顧客側)がこの処方線を実行することで解決されていくように思えます。

僕はこれらを参考に、今関与している事業(いっぱいあるけど、全部当てはめられる)に活かしていきたいと思いました。

ご興味あれば、みんさんも是非。