こんにちは。
エグゼクティブ向け迎賓施設
今年のGWは天城にあるIBM保有のエグゼクティブ向け施設「IBM天城ホームステッド」から始まりました。
この場所は、IBMのお客様を中心とする、会社や組織のエグゼクティブレベルの方をお迎えするための施設です。
訪問されたエグゼクティブの皆様は大変喜んでくださることが多く、評判も良いです。サービスは某有名ホテルにお願いしているため、品質も凄く高いのが特徴です。
そして、今年で開所50周年ということでした。
僕自身はIBM生活10年ちょっとなのですが、実はこの施設のことは40年近く前の幼い頃から知っていました。
それは、子どもの頃から同居していた祖父が、晩酌の時によく良い思い出として話してくれたためです。
当時、十六銀行の取締役庶務部長をやっていた祖父が、この施設にIBMから招かれて「たくさん勉強」させられて、そのご縁で20億円だかの稟議を上げてIBMのシステムを発注したということです。50年前の20億円って相当なものだったと思います。
いい意味で、相当印象が強かったようで、何度か聞かされた記憶があります。
同じコースの出席者であったソウル大学の学部長の方と意気投合し、天城からの帰り道は、東海道新幹線のこだまの駅ごとに降りて、居酒屋で酒を飲んで、何時間もかけて岐阜まで帰ってきた、と言っていました。
宿帳に祖父の署名と写真が
IBMに入ってからこの施設には何度も来ることはあったのですが、祖父の足跡を確認できたことはありませんでした。
で、今回天城でイベントを開催するにあたり、主催者として少しだけ早く現地入りした際に、天城の担当者の方に上記のいきさつを話して、顧客データベースはあるのかを聞いてみました。
そしたら、その話を喜んでくれた担当者の方が、過去の宿帳を見せてくれました。
最初は「探したのですが見つかりません」と言われたのですが、祖父の”達筆”は知っていたので自分で探させてもらいました。
そしたらなんと、あったんです!懐かしいクセのある字でした。
日付は昭和45年6月13日。この日付をもとに写真も探し出してくれて懐かしい顔を見ることができました。
ちょっと感動しました。
いま僕がつけている時計は祖父の形見ですので、同じ時計してないかな、と思って写真の袖口を見てみたのですが、ちょっと分かりませんでした。
約50年前に実施された「エクゼクティブのための電子計算組織概説」という4泊5日のコースだったようです。
現代であればさしずめ「CIO向けIT組織経営入門」といったところでしょうか。
業界用語で言うところの「銀行一次オンライン」のまっただ中だったはずで、日本が戦後の荒廃から立ち上がって、さらに上を目指そうとしていた時代のことです。
出席簿を見ると、同じコースに参加した人も錚々たるメンバーが並んでます。(もう機密情報じゃないと思うので写真掲載しますね。)
使命感もあっただろうし、忙しかっただろうし、やりがいもあったんだろうなあ、なんて孫なりに、いろいろ想いを馳せてみました(笑)
語り継ぐために
今、自分自身が中堅からシニアに映りつつある世代にあって、「前世代」「オジサンたち」として旧い世代として扱われたり、「これからの世代」として次の時代の担い手としてあつかわれたりする微妙なポジショニングにあります。
世代論の、ある意味での説得力と、ある意味での空しさを、ここ最近感じることが多くなりました。
若い頃結構、前の世代を攻撃したり、うらやんだりしてました。「高度成長期はよかったよな」「バブル世代はうらやましい」なんて。
一方で、今は後から来た世代からちょっと違う言い方で同じようなことを言われているのを感じたりします。
そんななかで、血縁者のいにしえ(!?)の足跡を見て、これだけは言えると思いました。
前の世代が無ければ今の我々は無い。それぞれの人がその時々に最善の選択をしてきてくれたらから今の自分たちがあるのだ、と。
より良い世の中を作って次の世代に引き継ぐ、というのは全ての世代に求められることなんですよね。
皆さんは、どう思われますか?