Back to Basic 「優れたリーダーはみな小心者である。」

 

こんにちは。

すすめられて読んだ本

二週間ほど前に、ある方からお薦めいただいたことが切っ掛けで、ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんの著書「優れたリーダーはみな小心者である。」を読みました。

優れたリーダーはみな小心者である。

個人的には非常に感銘をうけました。

というのも二つほど理由があります。

  1. よく自分が唱えていることと近いことが書かれていたことが一つ。
  2. もう一つが、それをさらに延長して「なるほど、それもその通りだ」「こう言う表現がいいのか」と気付かせて頂けることが多かったこと。

これらは全て、14万人のグローバル企業を引っ張った実績を通して語られているため説得力が高いです。

全ての人が14万人引っ張るわけではない!と言われるかもしれませんが、ご安心ください。入社2年目社員の頃の失敗談なども含まれているので、全く「遠い話」とは感じさせないと思います。

全体を通じたキーワードは、タイトルにもなっている「小心者」や、「臆病者」「心配性」といった、従来の概念では優れたリーダーとは真逆にあたるような言葉です。
特にこれが一貫した、この著作の差別化要素としての主張点でした。

逆説的ではありますが「なるほど、だからこんな行動が可能になるのか」と思わせる内容だったのです。

書籍の存在は知っていましたが、タイトルがあおっていた感じがしたので、手に取るまでに至りませんでした。すすめられて初めて手に取ったわけです。

著者のことも存じ上げないまま、勿体ないことをしていました。

読んで感銘を受け、それ以降講演やセミナーなどでもこの書籍について言及するようになりました。

幾つか心に残ったポイントを少し。

補佐は最高のリーダー育成方法

荒川さんは、ブリヂストンがアメリカのファイアストーン社を買収した時には社長補佐をされていたそうです。この期間を通じて、リーダーとしての行動や心構えを学んだということでした。

社長補佐というのは社長の分身として現場とのパイプ役になったり、社長がスムーズに判断やメッセージングをするための支え役になったりする仕事です。

僕もあるエグゼクティブの補佐をやったことはあるのですが、その活動を通じて大きな組織を引っ張ることの大変さを感じることができたし、彼我の差が明確になり自分の課題を理解することもできました。同時に理想のリーダー像が明確にもなりました。

ということもあり、この主張には非常に親近感を持ちました。

一定以上(従業員数1000人とか?)の規模の会社や事業部のトップは秘書以外の補佐機能を持って、自分の業務をより円滑に進めるようにするとともに、そのポジションを担当することを通じた人材育成は有効かもしれません。

当たり前のことを繰り返し

特にリーダーからのメッセージングの話の時に、当たり前のことを繰り返して伝えないと、伝わらないというコメントがありました。

荒川さんの年頭の挨拶などは、毎年代わり映えのしない原理原則を繰り返し説く内容だったそうです。

そして、ありがちな流行言葉の入った美辞麗句だけのメッセージを荒川さんは否定します。

僕もよく、「改革」は大変なことではあるが飛び道具が全てではなく、当たり前のことを確実にやれるかどうかがポイントである、とお伝えします。

教科書に書いてあるような、当たり前のことを着実にこなせる組織は、流行言葉になるような「飛び道具」を与えられても使いこなせる可能性はありますが、その逆はありえません。

基本に忠実に、というのはこの書籍全体を通じたメッセージでもあるように感じました。

合目的・原理原則

「合目的」という言葉が出てきます。これも普段僕が使っている「目的合理性」と同じ意味です。

その行動は、目的に合致しているか、を常に考えている人が多ければ多いほど、その組織は滑らかに動きます。

ビジネスはつまることろ、ここだと思うのです。

そしてこの当たり前のことが、なかなかできないのが組織です。

目的を追求するためには、その付き合い残業・アピール残業は意味があるのか?

その差別発言や個人攻撃は、目的に合致したものなのか?

日々あるトラブルは目的や原理原則に照らせばかなりの部分解決します。

究極的にはすべての人が目的合理性を追求している前提に立てば、リーダーは目的・原理原則さえ方向付ければそれでよいはずです。

方針を示さずに

「あの方針は決めたけど、人に言うものではない」

とか、「右ですか、左ですか」と問われ

「右でもあるし、左のケースもある」

というのはリーダーの発言ではありませんね。

そんなやついないだろう?と思う人もいるかもしれませんが...残念ながら実在します。

原理原則をしめさないと、集団は何を方針に動いていいか分からないので、合目的もなにもあったものではありません。烏合の衆になってしまいます。

「オレはお前らくらいのとき、もっとキビシいことをやらられてきた」というのはリーダーがもっともやってはいけないこと、として記載されています。

この類のはなしは過去の自慢話や懐古話に過ぎず、何の根拠にも教訓にもならないことだと書かれていて、これについても我が意を得たり、と思った次第です。

 

このように、当たり前のことを着実にやってきたリーダーがいた結果ブリヂストンは世界に冠たる会社になったとも言えるのではないか、と感じた次第です。

時を置いて、また改めて読んでみたい本が一つ増えました。

皆さんは、どう思われますか。