DHBR40周年記念号雑感 〜見えた希望と、一抹の…〜

こんにちは。

ダイヤモンドハーバードビジネスレビューの40周年記念号がとどきました。

40周年記念企画

書店発売に先駆けて定期購読者には少しだけはやく届くのですが、届き始めた頃からSNSで(すなわち、少なくとも僕の周りで)それなりに大きな反応が出始めました。

今回の特集は、”40周年”にかけて、未来をつくる40歳以下の経営者を20名選ぶ、というものでした。

以前からメルマガを通じて選抜が行われているのを知っていましたし、1ヶ月前の号の巻末の「次号予告」にも掲載されていたので、ずっと楽しみにしていました。

またその後、全然別の流れではありますが、今回選ばれている方と対談をする機会も頂きました。(予想していたので対談のときには、アイスブレークネタとしても使わせて頂きました)

本稿で書籍などにコメントする際には毎回こころがけているのですが、内容については読んで頂ければいいので詳しくは触れてません。

ちょっとちがった角度から考えた事をいくつか。

特徴は慶応、関東、グローバル

やはり僕が気になるのは、ここに選ばれている人がどういう環境で育つとここに至れるのか、というところなのです。

プロフィールに書かれていること見ると、特徴としてみられるのが、出身大学です。

圧倒的に慶応義塾の方が出てくる頻度が高いです。20名のうち7名の方が慶応義塾です。そしてそのうち5名がSFCの出身です。

二番目に多かった早稲田と東大が3名ずつです。

もちろん、より詳細に分析するにはこの年代の卒業生の人数を調べたりする必要があるのでしょうが、絶対数でみるとすごい数ですね。

福澤諭吉加藤寛のDNAが生きているということなのでしょうか。

また、出身地にも偏りが見られました。東京が8名。これに神奈川、千葉、埼玉を加えた関東で14名。一極集中なのかこの分野に関東が強いのか。情報があつまるということは特に大きな利点かもしれませんね。

海外経験を持つ人も分かる範囲で7名いました。刺激を受け、視野が広がるという意味では有効な経験なのでしょう。これも多いかどうかは即断できませんが、選出基準に「グローバル性」が含まれている事と関係があるでしょう。

数字的なインパクトとしてはそれほどではないのですが、あと二つ注目した事があります。

若い頃キャリアを過ごした出身企業についてと、いわゆる高学歴(修士以上)かどうか、です。

出身企業については、コンサルティング会社のマッキンゼー出身者が3名、リクルートが2名。特に前者はその母集団数からして頻度が高いと言えるかもしれませんね。

高学歴社は5名。意外だったのはMBA取得者が(分かる範囲では)いないことです。

共通して言える事は、情報量の多さを中心にした刺激の多いところや、色んな事を吸収する環境に身を置く事、でしょうか。

その刺激をスルーするのではなく、動機は何でもいいから高い志を持ってそれを受け止め、価値に変えることができる人たちということでしょうか。

そして、個人的に感じた事は...

①まず、一昔前だったら必ずこの辺りに出てきそうな我が古巣「日本IBM」「アクセンチュア」「電通」出身者がなかったこと。時代なのでしょうか。時代なのでしょうね...

②次に、組織やコミュニティのDNA乃至はカルチャーってその構成メンバーの行動に大きな影響力があるのかな、って思いました。と同時にそのDNA/カルチャーにも時代に合わせ「旬」があるのかな、とも。①で触れたような企業が旬であったこともあったし、逆に今回目立った組織やコミュニティがふるわなかった時期もありました。

③また、今回選出された人たちはアントレプレナーが中心でした。大企業のなかで奮闘している若者を何人も知っています。どちらかというと創造よりは変革に重きを置く人たちですね。僕もそちら側の人間でした。そういう人たちは是非前向きな刺激を受けてほしいなあ、と思います。

④そして、最後に... U40だから当たり前ではあるのですが若者たちが選出されていて素直に「素晴らしい」と尊敬してしまう自分に気がつきました。ちょっと前なら「くっそー」とか「自分だって、負けてないはず」なんていう刺激の受け方をしていたような記憶があるのですが、年なのでしょうか。年なのでしょうね...

そしてこれが良いことなのか、というとそうでもないんだろうな、と思う自分もいます。寿命が伸び、職業人生の期間も延びています。40代ってそれほど老け込む年でもないですよね。未来志向で!良い刺激を受けつつも、惑わされる事無く(不惑!)自分がやるべき事をやっていくことには変わりはありません。DHBR創刊40周年ということで、通常なら過去の偉業を讃える回になるのでしょうが、それを敢えて未来志向に変えたこの意欲的な企画。編集長以下チームのメンバーの皆さんの奮闘を想像すると、アタマが下がります。少なくとも僕は前向きな刺激をうけましたので、僕向けには大成功です。

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