難しいを簡単に 〜理論と現場をつなぐビジネスエンターテイメント〜

こんにちは。

今週も、先週に引き続き読んだ本について書きたいと思います。

ビジネスエンターテイメント

今回読んだのは、IBMの先輩でもあり、著者としても先輩であり、僕のキャリア相談にも乗って頂いたりしている永井孝尚さんの最新著作『そうだ、星を売ろう』です。

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長井さんと言えば、ご存知、累計60万部を突破した『100円のコーラを、1000円で売る方法』の著者でもあり、”ビジネスエンターテイメント”のジャンルでの第一人者でもいらっしゃいます。

本作は、あるマンネリ化した温泉地の志の高い人たちが、自分たちの本当の強みに気付き、周りを巻き込みながら圧倒的に立ち上がっていくストーリーで、長野県の実在の村、阿智村のサクセスストーリーに取材されて、永井さん独自の視点を加えて表現されたものです。

ビジネスエンターテイメントだけに、本作も本当に読みやすい。まさに「楽しませ」てもらえます。それでいて巻末にも解説されていますが、数々の著名ビジネス書で扱われている理論のポイントを学ぶ事もできます。

その意味では、難易度や時間的な理由で一般のビジネスパーソンが手に取るのを逡巡してしまう経営書を、そのエンッセンスを切り出してシンプルに表現してくれています。それを更に、親しみやすいストーリー仕立てになっているためさらに没頭しやすいところが特徴です。

多くの気付きや学び

気付きもいただけました。

僕も日々実務の中で問題に突き当たり、解決を繰り返す日々なのですが、ついつい感情が先走ったり、現場に埋没しがちです。

書籍や講演で発信活動をしたり、教育プログラムの講師をしたりしていながらも、一方で実務をやっていると学んだり教えたりしている事が飛んでしまいそうになることがあるのです。

それを「ハッ」と引き戻してくれるような瞬間が何度もありました。
やはり基本に立ち返えることも重要だし、それが理論の価値でもあるわけですからね。

四章(ヒト、モノ、カネより大切なもの)とか、六章(抵抗勢力を味方につける)とか七章(「やりたいからやる」モチベーション3.0)などがそうでした。

それだけではなく、新しい発見もたくさんありました。

もちろん、みなさん読んでのお楽しみ、というところではありますが、九章(ビジネスは合理的に判断できない)や十章(競争優位の終焉と終わらない変革力)などの端々でなるほど、こう言うキーワードもあるのか、とか「あー、自分も分かったつもりになってたな」というシーンがありました。いつも、永井さんのご著書を読んで感じることです。

実務家であるホワイトカラーの皆さんも、忙しい中でも少しだけ時間を作って本書を読んでみる意味は、大いにあるかなと思います。

そして、実話に基づくお話だけに、僕もこの阿智村の空を見てみたくなりました。幼い頃、恵那山トンネルに行くと必ず食べていた五平餅も懐かしくなりました。

以前から、東京ではあまり活躍の機会がないVixenを持って息子と行ってみようか、と言う話をしていたこともあるので、ちょっと真剣に考えてみようかな。

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