ケネディのメッセージ 〜We choose to go to the moon〜

こんにちは

出張の合間の休暇

アメリカはフロリダのオーランドからコロラドデンバーに向かう飛行機の中でこの文を書いています。
オーランドにはIBMの用事で行ったのですが、土日を挟みました。
そこで、週末の空き時間を利用してケネディ宇宙センターに行ってきました。
ここはアポロ計画やスペースシャトル計画の主な舞台となった場所です。

僕の大好きな漫画『宇宙兄弟』の舞台のひとつでもあり、子供たちも毎日のように宇宙関連のテレビの録画を見ているので、僕にとっては比較的身近に感じる場所ではあったのですが、やはり実際に行ってみると迫力に圧倒されました。
これだけの事業をやり遂げる資金力や技術力もさることながら関連した人々の努力やその背景にある使命感や情熱って凄いなあ、とこころから思いました。
アメリカという国の未知への探求に対するDNAって凄いです。
(アポロ時代の指令室の実物大の展示があったのですが、各椅子にかかっていた作業着のうちの幾つかの背中には「IBM」の三文字が入ったものがあり、誇らしく感じました)
f:id:eitarokono:20160208082448j:image

アポロ計画の始まり
そもそもケネディの名前を冠していることにもつながりますが、アポロ計画は1961年に当時のアメリカ大統領ケネディが月に人を送ることを宣言したことに端を発します。
なぜわざわざそんな計画をぶち上げる必要があったかについては、宇宙開発競争でソ連に遅れをとっていたのを一気に逆転させるためだったということらしいです。
ただ、この壮大な計画は、いかに強国になっていたアメリカ合衆国といえどもかなりのリスクを伴うもので、説得力を持って国民にメッセージする必要があったはずです。

そこで僕が注目したのは、国民に対するケネディからのメッセージです。
もちろん、色々議論があったでしょうし、その過程でなんどもメッセージを出したことでしょう。しかし非常に印象に残る映像を見る機会がありました。
アポロ計画を振り返る展示の一つでケネディの演説の動画だったのですが、
”We choose to go to the moon!
We choose to go to the moon!
….
We choose to go to the moon because…”
という熱のこもった部分です。

これはおそらく日本の中学校までに習う英語で構成されていてわかりやすいですし、構成も非常にシンブルです。文字としても博物館のあちこちに引用してありました。

練られたメッセージ
この演説が行われた当時、まだ僕は生まれていませんので実際の時代の空気を知ることはできませんが、おそらく相当程度の熱を持って国民に受け入れられたのではないかと思います。
なんでこんなに心に響くのでしょうか。この一文をよーく考えてみると、シンプルなようで巧みに練られた文言なんじゃないかと思うのです。

We: Youでもなく、Iでもなく、Weです。「You」すなわち「国民の皆さんが」と言ってしまうと当事者意識に欠ける響きをもちます。一方で「I」と言ってしまうと、国民が置いてきぼりになります。「勝手に行けば」という空気が出てしまいかねません。

choose:これも過去形でも未来系でもないところに言葉の力を感じます。国民としては結果を知らされた、わけでもなく、これから選びましょうよ、という将来への思いを伝えられたものでもありません。いま共有しているこの瞬間の選択を伝えています。

go:もちろん月に行くのはケネディ本人ではありませんし、大半の国民ではありません。しかし、納税者かつ有権者である国民もともに、という意図を込めて「飛行士を送る」のではなく「行く」という表現を使っているように伝わってきます。

moon:当時すでに有人宇宙飛行はソ連に先を越されています。他にも宇宙ステーションとい選択肢もあったでしょうし、 2016年現在アメリカは火星ロケット計画を公言しています。相当困難だけど、全く不可能ではなく象徴的な場所として月を選んでいると思います。

日本語で言うならば
「私たちアメリカ国民は、月に行くことを選択するのです!
月に行くんです!
いいですか、月に行くんです。それによって…」
といったイメージでしょうか。

多くの人をまとめるために言葉を考えた人の思いという意味では日露戦争のときに連合艦隊参謀の秋山真之日本海海戦の開戦時に打った「「・・・敵を撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し」という電報にもにているな、と感じました。

チームで勝負をかける瞬間って、キャリアを積んでいくと何度かあると思います。
そういうときにリーダーが選ぶ言葉って非常に重要になるんだろうな、でもそれは勝負のときだけではなく普段から心がけていないとできないことなんだろうな、なんてことを考えながらフロリダを後にしました。
皆さんはどう思いますか?

 

 

www.youtube.com

f:id:eitarokono:20160208082619j:imagef:id:eitarokono:20160208082542j:imagef:id:eitarokono:20160208082514j:imagef:id:eitarokono:20160208082426j:image