バルコニーに上がってみる 〜視野を変えると思考も変わる〜

こんにちは。

もと大臣の発言

あるカンファレンスのビデオを見ていて、その中で竹中平蔵さんがこんな発言をされていました。

「挫折はしょっちゅうだ。で、そうしたときに詰めて考えることも重要だが、もうひとつの方法も持ち合わせておいたほうが良いと思う。問題に直面したとき、一 瞬、引いてみたうえで考える。リーダーシップ論で著名なハーバード・ケネディスクールのロナルド・A・ハイフェッツ教授は、「バルコニーに駆け上がって見 ろ」と言っている。現場で懸命にやるのも大事だが、俯瞰してみると違うものが見えるということだ。」

ロナルド・A・ハイフェッツ教授はNHKの白熱教室でもリーダーシップのパートで扱われていたのでご存知の方も多いと思いますが、この『ダンスフロアからバルコニーへ』という言葉、なるほどな、と思ったので本稿でも考えてみたいなと思います。

高い視点で見るシミュレーションをする

この言葉のポイントは「何か課題に突き当たったら視点を変えてみると、見えるものが変わる」ということです。この視点は例えば「バーズアイビュー」「鳥瞰図」「メタ認知」などという日常語でも使われています。

また、僕自身経験的にも理解できました。

僕は学生時代、競泳をやっていたのですが、同じ水泳部には水球部門もありました。当然同じ部なので水球の試合には応援に行きます。

応援する側は少し離れた観客用スタンドにいますので、全体が見渡せます。いわゆる「神の目」または「上から目線」を持っているわけです。どこにエリアが空いているか、どのプレイヤーがそこにポジションを取るべきか、というのが簡単に分かります。

「おい、●●!逆サイドがら空き!」

などとついえらそうに叫んだりもしていました。

選手はフィールドにいて、水面に近い視点でプレイしていますので、視野も狭いです。相手が襲いかかってくるし、ボールを追わなければなりません。

じゃあ、僕がフィールドに降りて交代すれば、今の選手より良いプレイが出来るかというと、僕自身が水球素人なのでそういうわけではないのですけどね。

むしろ、視点を変えることで、素人でさえ全体が見渡せるようになる、ということを示しています。

サッカーや野球を観戦するのが好きな人もそうですね。観客の視点だとプロサッカー選手以上の視野を持てるので、一段レベルの高い観戦ができます。

一説には、中田英寿さんは、現役時代にフィールドでプレイしながら、少し高い場所からの仮想的な視点をつねにアタマに描いていたためパスの制度やポジショニングが巧かったという話があるそうです。

なるほどなー、という感覚を持ちますよね。

ホワイトカラーの活動にも必要

さて、この考え方をホワイトカラーの日々の活動に活かしたのが、冒頭述べた竹中さんのコメントに繋がるわけです。

これは「日々困難に突き当たると思うが、どのように対処すべきか」という会場からの質問に答えたものです。

つい我々は問題の現場で埋没して奮闘しがちですが、少し離れた視野を意図的に持ってみる事で解決の糸口が見えたり、実はたいした問題でない事が分かったりするものだという教訓になるわけです。

今直面する問題を、部門をまたがって考えてみるとか、自社に閉じないで考える、今週とか今月の時間軸ではなく数年の時間軸で考える、といったことです。

一見簡単そうではありますが、フィールドで奮闘するプレイヤーにとっては、相当意識しないと難しいということは、ある程度経験のある方には分かって頂けると思います。

普段から何かにつけて、意識的に視点を移してみるというクセをつけてみると、中田英寿級とまでは行かないでしょうが、習慣的に高い視野を持てるようになるのではないかと思います。

「と思います」というのは、こんな事を書いている僕も「日々の、今そこにある問題」に気を取られて、視点を変えて考えてみることを忘れてしまう事があるためです。

何事も鍛錬と継続ですよねー

張り切って参りましょう