こんにちは。
クライアント内の課題図書
先日、とある大企業の顧客向けサービス事業部で講演をしました。
事前の打ち合わせで担当の方から、今回の参加メンバーが全員読んでいる本として紹介を受けたのが、添付の本でした。
もちろん、即購入して読みました。翻訳の難易度が高かったようですが、言わんとしていることは、非常に共感できるものでした。
- 作者: デービッドマイスター,ロバートガルフォード,チャールズグリーン,David H. Maister,Robert M. Galford,Charles H. Green,細谷功
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
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弁護士事務所や会計事務所、コンサルティング会社など、一般にプロフェッショナルファームと呼ばれる組織に所属する人が、クライアントから信頼されるための方法論を説いた本です。
自称「プロフェッショナル」にありがちな失敗事例をふんだんに使いつつ、同時に成功事例を交えて解説しています。これは弁護士など狭義の「プロフェッショナル」ではなく、顧客をもつ全ての仕事に共通して求められるものでもあると思います。
まあ、翻訳が難しく、かつ長いのが問題で、今回のようにクライアントが読んでいる、という理由が無ければ15分以上はもたなかったと思います。
でも、内容は秀逸でおそらく英語版は相当売れたのではないかと思います。
ちなみに、僕なら図解版で出します。
そうすれば、バカ売れすると思います。常に時間に追われている想定読者たちにもかなり前向きに受け入れてもらえる内容だからです。つまり世の中のためになる。(東洋経済新報社の方、是非ご一考を!)
信頼の方程式とは?
さて、閑話休題。
350ページに及ぶ内容の中で、特に印象的であったのが以下の写真にある「信頼の方程式」です。
これがこの本のエッセンス、言い方を変えると「象徴」なのだと思います。
信頼 = (信憑性+信頼性+親密さ) ÷ 自己志向性
プロにとっての信頼とは、①サービス内容の正しさ(信憑性)や②頼りがい(信頼性)、③仲の良さ(親密さ)の総和である、ということですね。そして忘れてならないのがそれを④自分のため(自己志向性)ではなくクライアントのためにやる、ことによって創り出される、という事だと解釈できます。
いくら①〜③を積み上げても、自分の給料や地位のためにやっているのが透けて見えると、信頼は勝ち取れないと言えます。
また、④クライアントのコトを優先していても、①や②のスキルが無ければやはり不十分です。
営業さんはどうしても③を優先しがちですが、開発・製造部門やサービス提供部門は①や②を追求しがちなので、同じようにステークホルダーの為に動いていても衝突しがちなんでしょうね。
で、どうするか。
やっぱり「カネ、カネ!」モードではいけませんし、浪花節だけでもいけません。とはいえ、良いモノやサービスを作れば買ってくれる!とか人間力さえあればなんとかなる!、なんて甘い話でもないわけですね。
向かっている方向はT(信頼)を最大化するためなのですから、みんなで役割分担しながらC(信憑性)R(信頼性)I(親密さ)を高めて、S(自己志向性)を少しでも小さくすればいいわけです。
もちろん、全てに長けているのが理想ですが、人によって得意不得意はあるのだから、巧くそれを活用しなければなりません。
「あいつらは頭が固くていけない」とか「クライアントと飲みにばっかり行きやがって」などといがみ合っていないで、それぞれの持ち場で C / R / I を高める努力をするのです。
ただし「クライアントの成功のため」という志を持っている事だけは全員に求められる
要素なのですね。
みなさんは、どう思われますか?周りの人はどうですか?