仮想敵を作ることの功罪 〜コンプレックスを正のエネルギーに〜

こんにちは。
みなさんは、何かことを成し遂げるためのモチベーションは何においていますか。

モチベーションの源泉

星野仙一という偉大なアスリートは、ご自身がプロ入りする際のドラフトにまつわるある事件をきっかけに、王・長島、いわゆるON率いる巨人を倒すことをモチベーションにその選手・監督としてのキャリアを積んでこられたそうです。
僕自身は若干生まれが間に合わなかったので、王・長嶋・星野という名選手たちの現役時代をリアルタイムに見ていたわけではありませんので、それがどんな感じであったかは想像するしかないのですが、スポーツということもありグラウンド内でルールに基づいて繰り広げられる勝負であればすがすがしいものがあったでしょうし、健全であるがゆえにファンも熱狂し、野球文化の発展に寄与したのではないかと思います。

ビジネスの世界でも、より強大な相手を見つけて勝負を挑み、知恵を絞って自分自身も業界も発展させるような健全な競争は実際ありえます。
そこまで大きなことでなくても、より身近なケースでいうと「あの厳しいお客さんに、ありがとうといわれたい」とか「いつも怒られている上司に、いつかはほめられたい」という目標をモチベーションの源泉にしていることもあるでしょう。

これも健全なケースだと思います。

共通点は、「自分が」より強く・大きく成長して、目標を追い抜こうとしていることなんだと思います。

コンプレックスをモチベーションとする時

一方で、これが行き過ぎて、コンプレックスを原動力にしている場合「あいつの方針は気に入らないから」とか「あの人さえいなければ」という思いが先にたち、うそをついて周りの足を引っ張ったり、権力を乱用して押さえつけたりして自分を大きく見せる場合があります。

(コンプレックスを原動力とすること自体をとやかく言っているのではなく、あくまでもそれがマイナスに響く場合ですので悪しからず)

これ、僕がもっとも嫌いで、心から軽蔑する行為です。

足を引っ張ったり人を蹴落としたり、というのは社会や文明にとって何の貢献もしていません。それどころか健全な人々に損害を与えますし、悪くするとこの手の行為というのは伝染して悪循環を引き起こします。

未来志向のエネルギーへ

あくまでもエネルギーというのは前へ、未来へと使うべきで後ろ向きに使うべきものではないと思うのです。

「それは理想論だ。ビジネスも競争の世界なんだから、そんなあまっちょろいことばかり言っていてはいけない。使える手段はどんな手段でも使うのだ」
という意見もあるでしょう。一面そのとおりだし、僕自身もそうあるべきだと考えていろいろずるく生きようと努力したこともありましたが、どうしてもやり切れませんでした。

長くビジネスをやってきていろいろな人と接点を持ってきましたが、コンプレックスを原動力にしている人は多いです。そして残念ながらそれによって負のエネルギーを発散してしまっている人を多く目にしてきました。

しかし一方でコンプレックスを乗り越え、前向きなエネルギーに変えている人も同様に多いです。そしてそういう人はむしろ尊敬の対象になります。

そうありたいものです。

皆さんはどう思われますか。