「ロールモデルがいない」考

こんにちは
先日、ある若者が「この会社にはロールモデルがいない」といって退職しようとしているという話を聞きました。
そういえば、そんな話は僕自身が若い頃からたまに耳にするなあ、と思いました。

学ぶ努力は十分か。

僕自身を振り返ってみると、相当若い頃から自分のコミュニティの中にも外にもあこがれの人や尊敬する人はたくさんいたため、この若者の気持ちを理解してあげられません。
この人みたいになりたい、という特定の人物という形ではなかったのですが、自分がお手本にした人は、先輩だろうが同期だろうが、後輩だろうが沢山いたので、それもふくめてロールモデルはいた、と言うこともできるかもしれません。
 
ロールモデルがいない」という発言は...
本当にそう思っているとしたら周りを観察しようとしていないか、理想が高すぎるかのどちらかだったりしませんかね。
参考になるキャリアは、「あの人のあの行動」「この人のこの姿」という視点でみれば、周りにいくらでもあるはず。
理想を高く持つ事は良い事です。が、一気にそこに到達できることはなかなかない。

他人の人生を生きていないか。

さらにいえば、他の人が通った道を後から行く事を肯定しすぎていませんかね。
「人生には限りがある。他人の人生を生きてはならない」
スティーブ・ジョブズは言ったということです。
もちろん、先人が切り開いた道をたどることにも非常に意義はあります。が、ある程度のところからは自分が後に続く人のために切り開かないと。社会は過去の人が作ってきたもの以上に発展しなくなってしまいます。
僕は新卒で最初に入った会社を3ヶ月で退職した時点で、それまで言われていたスタンダードなキャリアから外れてしまい、自分で作っていくしか選択肢の無い仕事人生でした。
当時は今と違って、”常識”や”世間体”が人生の最優先でしたので当然落ち込みました。
発想が変わったのは
「ワシらの20代は戦場におったでな。会社辞めたくらい、なんのことはない」
という祖父の何気ない一言でした。

肩の力を抜いて自分の人生を。

祖父は、激戦地ガダルカナルからの帰還兵であり、帰国後も公職につきづらかったためそれまで関与していた公立大学から私立大学に移り、博士号も70歳を過ぎてから取得して新聞に載ってました。ロールモデルとか、考えた事無かったんじゃないかな。
おかげで
「キャリアには色んな見方がある。新卒で入った企業で勤め上げることはもちろんすばらしい。でも、それから外れることそのものは悪い事ではない」
って思えるようになりました。
 以来、相当な回り道をしながらも多くの尊敬できる人や仕事と出会いながら自分の人生を生きてきました。
未だに回り道しながらやってますが、相変わらず自分の人生です。
要するに、祖父も僕もそうせざるを得ないから”世間標準”のキャリアを歩んでいないわけです。
ロールモデルがいない」と思っている若者とお話できるとしたら、そういうものにこだわらない方が見えるものも多くなるかもしれないよ、と伝えてみたいですね。
 
であまり主旨と関係ないけど写真は、30年来僕の「あこがれの人」でありつづけているブルース・スプリングスティーン。65歳だそうですが、とんでもなくパワフルです。
ジャンルは違いますが、こんな大人もかっこいいですねー。
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