長期政権の罠 〜取り巻きに気をつけろ!〜

こんにちは。

我が国の現在の内閣も、長期政権のモードになりつつありますね。

長期政権の負の影響

ある程度の期間、政権が続かない事には、やりたい事もなかなかできないのではないかと思います。その意味では米国の大統領のように4年間の任期があるというのは一つの知恵です。

どちらにしても、日々様々な批判にさらされ、支持率は高かったとしても衆人環視の中で批判を浴びるのは並大抵の胆力では耐えられないのではないかと拝察します。

国会や内閣は、マスコミなどの監視の目にさらされているので、たとえ長期政権でもバランスをとっていると思います。

一方民間の組織、それも非上場の組織などあまり批判にさらされにくい環境で長期政権が続くと、どういった影響があるでしょうか。

良い面でいうと、権力が集中しガバナンスが強化される事でトップの意思決定とその後の実行にスピード感が生まれ、組織の環境への適応や戦略の実行に弾みがつきます。

一方でネガティブな面をとりあげると、端的に言うと「取り巻き」「腰巾着」が増え始める事です。そうなるとトップは裸の王様です。ちやほやし、耳に心地いいことばかり言うメンバーに囲まれ始めるのです。

たちが悪い事に、そこからの情報しか耳にはいらなくなり、いつの間にか一部の人の利益のためだけの独裁政権になっていくのです。

成長企業における弊害

また、それが成長企業であればなお、弊害があります。

立ち上げ直後のベンチャーの状況から、中小企業の段階、そして成功して大企業になっていく段階において、必要な人材というのは随時変わっていきます。

にもかかわらず、中小企業だったときに重用された取り巻きが大企業になってからも取り巻き続ける。これは大きなリスクです。もちろん、成長に伴い人材も成長していくケースもありますし、もともと大組織にも適応できる人が起業メンバーに参加するケースもあるでしょう。

でも現実的には、やはり人を入れ替える必要性が発生します。

もちろん、過去の貢献に報いる必要があるとは思いますが、役割を終えたかつての重臣には退場いただく必要があるのです。

それができるかどうかは、トップの本当の力量が試される瞬間だと思います。時には自分自身も一線を引き、適任者に譲るという判断も必要なのかもしれません。

決断:人に譲るか?寵臣を入れ替えるか?

その決断ができないトップの周りには、”政治屋”があつまり組織を私物化し続けます。「大企業」として入社してきた新規加入者との軋轢を生み、更なる成長を疎外するのです。

典型的な現象としては、新規加入の優秀であるはずのメンバーが入社後1年以内に次々に辞めていく、というものです。 

身近にそんな現象ありませんか?

媚びる人間だけが良い思いをする。これは、公器としての役割を持ち始めた組織においては社会に対する害悪以外の何者でもありません。

更なる飛躍をとげるため、かつての寵臣たちにドライな判断を迫るということもリーダーの重要な役割のひとつだと思います。

皆さんの周りでは、いかがでしょうか?